フランスのバルス首相は23日の閣議後の記者会見で、パリ同時多発テロを受けて、テロ行為で有罪判決を受けた重国籍者の国籍剝奪(はくだつ)や、令状なしでの家宅捜索など市民権の一定の制限を可能にする国家非常事態を条文に盛り込んだ憲法改正案を明らかにした。 バルス首相は会見で、「我々が直面しているテロの脅威に対応していくため、新しい手段が必要だ」と述べ、憲法改正の必要性を強調。国家非常事態は、従来は個別法で定められてきた。改正案では、国家間戦争を想定した戒厳令を定めた条文に新たに付け加えることで、テロと戦う姿勢を強調したかたちだ。 さらに、バルス首相は、国家の基本的な利益を脅かしたテロ行為で有罪になった重国籍者のフランス国籍を「剝奪できる」と定めた条文も盛り込むとした。 改正案は、下院にあたる国民議会で来年2月3日から審議される。憲法改正には、議会で5分の3以上の賛成、または国民投票での過半数の賛成