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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (8)

  • 中国の高齢化と富裕化はどちらが早いか? - himaginaryの日記

    ディーン・ベーカーが、中国に関するWaPo記事を攻撃している。 ベーカーが槍玉に上げたのは、記事の以下の一節。 Projections of China's economic growth seem to shortchange the country's looming demographic crisis: It is going to be the first nation in the world to grow old before it gets rich. By the middle of this century the percentage of its population above age 60 will be higher than in the United States, and more than 100 million Chinese will be ol

    中国の高齢化と富裕化はどちらが早いか? - himaginaryの日記
  • 経済学は如何に回復を処方したか - himaginary’s diary

    新年あけましておめでとうございます。 昨年は一昨年に続き経済関係では暗いニュースが多く、経済学の限界を嘆く声も数多くあったが、そんな中、経済学も捨てたものじゃないんだよ、経済学のお蔭で第二の大恐慌が避けられたのだよ、という論説が年末12/27にFTに掲載された(Economist's View経由)。書いたのはピーターソン国際経済研究所のアルヴィンド・スブラマニアン(Arvind Subramanian)。 以下にその概略をまとめてみる。 2008年、世界的金融危機が進むにつれ、経済学の評判、ならびに経済学者の政策実務者としての評判は地に落ちた。どうして誰もこの事態を予測できなかったのか、というエリザベス女王の質問は、この気分を良く表している。幾人かは事態の悪化を正確に予測したにせよ、経済学者という職業が全体として途轍もないヘマを仕出かしたことには疑いの余地が無い。中でも、市場への信仰を批

    経済学は如何に回復を処方したか - himaginary’s diary
  • プロテスタンティズムは経済発展に貢献しなかった? - himaginary’s diary

    タイラー・コーエンがDavide Cantoniというハーバード大の研究者の面白い論文を紹介している。以下はその論文の抄録の拙訳。 マックス・ウェーバーの「プロ倫」を筆頭とした多くの理論が、プロテスタンティズムは経済発展に有利、という仮説を唱えてきた。神聖ローマ帝国のドイツ地域は、19世紀に至るまでのプロテスタンティズムの顕著な宗教的異質多様性と宗派の所属者の安定性から、この仮説の理想的な実証分析の対象となる。1300-1900年の276都市の人口統計データを用いて分析を行なったところ、プロテスタンティズムは経済成長に何ら影響を及ぼさないという結果を得た。様々な制御変数の追加に対してもこの結果は頑健であり、データ選択や小さなサンプルサイズに拠るものでもないと思われる。また、経済発展に寄与すると思われる他の要素とプロテスタンティズムとの交差項も、何の影響も及ぼさない。さらに、宗教の選択の内生

    プロテスタンティズムは経済発展に貢献しなかった? - himaginary’s diary
  • マクロ経済学と気象学の比較 - himaginary’s diary

    WCIブログでNick Roweがマクロ経済学と気象学の類似性と相違について論じている。 類似性 両方とも一般均衡分析を行ない、系全体の中の部分同士のポジティブないしネガティブフィードバックがたくさんある相互作用を理解しようとする。 両方とも異なる変数の相関を示す時系列データを持っている。我々はモデルを構築してその相関を説明しようとする。他所で得られた証拠でそうしたモデルのパラメータを決めることもある。 両方ともそうしたデータの入手には自然の実験に頼る。 両方とも政治問題化する。「誤った」政策は大きな損害をもたらし得る。また、人々のマクロ経済学と気象学に関する信条は(不完全ながら)その政治的信条と相関する傾向がある。 相違 マクロ経済学は人々を説明しようとする。気象学はそうではない。人々は説明の対象としてはより厄介である。特に、人々の行動は、彼らの将来の予想に依存するので、因果関係のモデル

    マクロ経済学と気象学の比較 - himaginary’s diary
  • 軍事支出は景気に逆効果? - himaginary’s diary

    以前、ロバート・バローが第二次世界大戦時の支出から財政乗数を計算し、クルーグマンの批判を浴びたことを紹介した*1。その後のバローの動きはあまりフォローしていなかったが、ふと気がつくと、先月末のvoxeuで、バローが国防費を元に乗数効果を推計した共著論文を紹介していた。それによると、推計された乗数効果は0.6から0.8の範囲であり、非国防費の乗数効果も似たようなものだろう、とのことである。なお、非国防費の乗数を直接推定することを断念した理由としては、明らかに存在する内生変数の問題を解決する手段が無いため、と述べている。 このバローの記事を意識したかどうかは分からないが、ワシントンブログで、軍事支出は景気刺激にむしろ逆効果、という論考が2つ紹介されていた。 一つは、「多額の国防支出は失業につながる(Massive Defense Spending Leads to Job Loss)」と題され

    軍事支出は景気に逆効果? - himaginary’s diary
  • 行動経済学の陥穽 - himaginary’s diary

    ティム・ハーフォードが面白い話を紹介している。 行動経済学でよく出てくる実験に、「最後通牒(最終提案;ultimatum)」ゲームというのがある。このゲームでは、被験者Aが10ドルを渡され、別の被験者Bにいくら渡すか尋ねられる。もしBがその分け前を受け取れば良し、そうでなければ両者とも何も貰えない、というゲームである。もし両者が合理的経済人ならば、AはBに1セント渡し、Bはそれを(ゼロよりましなので)受け取る。しかし、実際の実験ではそうはならない。 また、その派生としてJack Knetsch、ダニエル・カーネマン、リチャード・セイラーが導入した「独裁者(dictator)」ゲームでは、Aが決めた分け前をBは拒否できない。その場合でも、多くの場合、Aは2〜3ドルをBに渡す。 もう一つの派生ゲームである「ギフト交換(gift exchange)」では、BがAに渡すことでスタートし、Aがお返し

    行動経済学の陥穽 - himaginary’s diary
  • ユンカーの誤謬 - himaginary’s diary

    Nick Roweが、WCIブログで、ユンカーの誤謬というものを紹介すると同時に、その誤謬も実は正しい場合があるのかもしれない、という興味深いエントリを書いていた。 ユンカーというのはプロイセン時代の地主貴族のことである(cf. Wikipedia)。ユンカーの誤謬というのは、彼らが土地に投資を振り向けたために産業への投資が滞ったのだ、という説で、フリッツ・マハループによって論破されたという。この誤謬は、以前にタイラー・コーエンやブライアン・キャプランもブログで取り上げた。 ユンカーの誤謬が誤謬たる所以を、Roweは合成の誤謬という観点から解説する。 個人のレベルでは、投資が土地購入の割をうということはあり得る。個人は自分の貯蓄を 新規の実物投資財(教育、新築住宅) 企業への貸出(=企業の実物投資財[機械など]の購入) 土地、中古住宅、既存の有価証券購入 に振り向けることができるが、前二

    ユンカーの誤謬 - himaginary’s diary
  • チアリーダー、もとい、リーマンを救えば世界が救われていたか? - himaginary’s diary

    リーマンを救済していれば経済はこんなことにはなっていなかった、という見解に対し、ロゴフが反論している(Economist's View経由)*1 *2。 The overwhelming consensus in the policy community is that if only the government had bailed out Lehman, the whole thing would have been a hiccup and not a heart attack. (拙訳) (世界の)政策関係者の間の圧倒的多数意見は、政府がリーマンを救済していれば、すべてのことはしゃっくりに留まり、心臓発作には至らなかった、というものだ。 これについてのロゴフの見方は、リーマン破綻は生け贄として必要だった、というものだ。 It was not just Lehman Brother

    チアリーダー、もとい、リーマンを救えば世界が救われていたか? - himaginary’s diary
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