2015/9/11 次なる「スティーブ・ジョブズ」として、電気自動車、ロケット開発の分野でイノベーションに突き進む男、イーロン・マスク。「人類の火星移住を実現させる」という壮大な野望を抱く男は、どのようにして生まれたのか。いじめにあった少年時代、駆け出しの経営者時代から、現在のテスラモーターズ、スペースXの経営まで、希代のイノベーターの人生を、ブルームバーグ・ビジネスウィークのアシュリー・バンス記者が徹底取材。全米で話題沸騰の著書『イーロン・マスク 未来を創る男』の日本語版の一部を発売に先んじて公開する。 マスクとのディナー 「僕のこと、まともな人間には見えないだろ?」 シリコンバレーの高級シーフードレストランでゆったりとディナーを楽しんだ後、イーロン・マスクがそう問いかけてきた。 その日、私はマスクとディナーを約束していた。待ち合わせにやってきたマスクは、革靴にデザイナーズブランドのジー