全国初の裁判員裁判となった東京都足立区の隣人殺人事件で、東京地裁(秋葉康弘裁判長)は6日午後、殺人罪に問われた無職藤井勝吉被告(72)に懲役15年(求刑懲役16年)の判決を言い渡した。4日間連続で行われた裁判を通して、市民から選ばれた6人の裁判員が、3人の裁判官とともに結論を導いた。 藤井被告は5月1日に斜め向かいに住んでいた女性(当時66)を口論の末にサバイバルナイフで刺殺したとして起訴された。初日の公判で、被告は起訴内容を認めたため、裁判は「殺意の強さ」の度合いが争点となった。 検察側は、犯行直前に被告が数回「ぶっ殺す」と発言し、ナイフを持って被害者を追いかけていたとして、「強い殺意があった」と主張した。一方の弁護側は、ナイフを持ち出したのはあくまで被害者を脅すつもりだったと反論。「被害者の侮辱的な言葉が被告のがまんを爆発させた原因となった」として情状酌量を求めていた。 審理は3