与謝野晶子が見た夕日 - 上越後景観文学紀行 かみえちごけいかんぶんがくきこう
落日が枕にしたる横雲の なまめかしけれ直江津の海 与謝野晶子 与謝野晶子は夫の鉄幹とともに大正13年8月10日、佐渡への旅の途中、赤倉温泉に宿泊した後、直江津駅前のいかや旅館(現ホテルセンチュリーイカヤ)に一泊しました。 大正時代のいかや旅館の眺めです。昭和50年代に取り壊されるまで、旅人の旅情を誘うだけではなく、まちの人にとっても、旅を終り、駅頭に立っていかやの三重塔を見上げると「ああー、直江津に帰ってきた」という、象徴的な建物でした。 晶子は、夕方、海岸まで散歩し「此処の濱で眺めた入日が美しかった。私に取って初めて北の海の渚に立ったのである」と、夕日の感動を随筆に書いています。 直江津海岸の夕日 歌集「心の遠景」には、直江津で詠んだ歌が十二首も収められています。 赤倉に迎へし朝の日なりしが今見おくるは直江津の磯 浜茶屋の屋根より上に二三筋街の端見ゆ北の直江津 落日が珊瑚のいろを長く引
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