白兎神社の由緒となっている「因幡の兎」の古事は、「古事記」に紹介されている神話です。 戦前に国語読本に「しろうさぎ」として取り上げられ、平成23年からは小学2年生の国語の教科書に登場している、おそらく日本神話の中で最も知られている神話の一つだと思います。 「古事記」には大穴牟遅神(大国主命)が気多之前で兎をお助けになったとありますが、この気多之前というのは今でも白兎海岸の西に突き出ている岬の名称であります。 この岬から150メートル沖には、やはり古事記に出ている淤岐ノ島があります。 「古事記」に出ている因幡の兎の全文は次の通りです。(読み易く記す) 古事記(和銅五年正月太朝臣安萬呂所撰)上巻に日く 八十神、おのもおのも稲羽の八上比売をよばはんの心ありて、共に稲羽に行きける時に、大穴牟遅の神に袋を負せ、供人として率てゆき是に気多之前に到りける時に、赤裸なる兎伏せり。 八十神其の兎に謂ひけらく