【ブリュッセル八田浩輔】「私はベルギーの人々を裏切った」--。ベルギーから夫や子供と共にシリアに渡り、過激派組織「イスラム国」(IS)の支配地域で暮らした女性が毎日新聞の取材に応じた。女性は昨年3月に逃げ出してベルギーに戻り、テロ組織に加わったとして執行猶予付きの有罪判決を受けた。現在は経験を語るために学校などを回り「自分と同じ過ちを犯さないでほしい」と訴える。 女性はローラ・パッソーニさん(31)。今年10月に半生を描いたノンフィクションを出版した。テロが続く欧州では、ISに共鳴してシリアなどの戦闘地域に渡る若者や帰還戦闘員への対策が課題となっているが、顔を出して実名で経験を語るのは珍しい。