9月に入り1米ドル105円を超えて円安が進んだ。105円はなかなか超えられなかったし、久方ぶりの円安水準だから、輸出株の代表自動車株はもっと勢いよく上昇してもよいのではないかと思ったむきもあろう。しかし、反応が鈍い。昨日、円が対米ドルで108円台後半へ下落し110円台も視野に入り始めると株価は漸く動意づいた。大手の中では国内生産・輸出比重が高いトヨタ株が2%強上昇し、年初来高値を更新した。とはいえ、仮に1米ドル110円程度の円安が定着すれば今期のトヨタ予想営業利益を1割弱程度は押し上げる効果があることを踏まえると何か上昇に物足りなさがあるが何故だろう。 海外生産拡大と輸出比重の低下が原因であるとよく言われる。ホンダは北米向け 「フィット」の生産をメキシコに移した。日産は既に「ローグ」生産を九州から北米に移し、そして「ムラーノ」の移管が続く。足元で輸出比重低下が目立つホンダや日産株価の円安へ