フィンランド語の発音は,日本語のそれに大変近く,日本語の話者には簡単に習得できます.とくに,次のような特徴があります. 文字と発音は,完全に一対一に対応します.また,アクセントは単語の先頭にあり,イントネーションは常に一定で疑問文等においても変化しません.したがって,文字で書いてある文は,常に正しく読むことができます(ただし,長い合成語では各要素の切れ目を知らないと発音できません). 単語の終わりに来ることができる音は,母音か,t,s,n,まれにr,lの5種類の子音に限られます. 母音,子音とも,長短の区別があります.「長子音」とは,日本語でいう「小さいツ」(N, Mにおいては「ン」)が前に入った音です. 「母音調和」 と呼ばれる現象があります.これは,後舌母音(a, u, o)と前舌母音(ä, y, ö)が1つの単語(合成語の場合は単語を構成する1つの要素)の中に同時に現れることはない,