パイシャーチー(paiśācī)は、インド・アーリア語派に属する中期インド語のひとつであり、通常はプラークリットの一種として分類される。インドの伝統的な文法書に現れるものの、文献が残っていないために、その詳細は不明な点が多い。 概要[編集] パイシャーチーとはピシャーチャの言葉という意味で、ピシャーチャはインドの悪鬼だが、なぜこのような名前がついたのかは明らかでない。ブータの言語(bhūtabhāṣā)とも呼ばれるが、同じ意味と考えられる。 12世紀のヘーマチャンドラはチューリカーパイシャーチー(cūlikāpaiśācī)という変種を区別する。 ダンディンの『カーヴィヤーダルシャ』などによれば、グナーディヤの作と伝えられる説話集『ブリハットカター』がパイシャーチーで書かれていたという。しかし現存する諸本にパイシャーチーで書かれたものはない。 8世紀に書かれた『クヴァラヤマーラー』というジ