【広州=小林哲】中国河南省で発見され、本物かどうか論争になっている三国志の英雄・曹操(155〜220)の墓をめぐり、DNA鑑定で真偽に決着をつける計画が中国で進んでいる。中国全土の「曹」の姓をもつ男性から血液を集め、墓から出た遺体のDNAと比べて科学的に検証する。中国で歴史の検証にDNA鑑定が利用されるのは珍しい。 計画しているのは、上海・復旦大の人類遺伝学の専門家らの研究チーム。男性の「曹さん」約1千人の血液を集めて、父親から息子にのみ受け継がれるDNA配列を調べる。曹以外の姓を持つ男性のデータと比べ、曹一族に特徴的なDNA配列を特定。墓から見つかった曹操とみられる60歳前後の男性遺体の骨から抽出するDNAと比較する。 本来、曹操と血縁関係にある人物のDNAと照合すれば、本人かどうかを高い確率で特定できるが、曹操本人や血縁者のDNAサンプルは残っておらず、この通常の鑑定法では検証でき