世の中にはビジネス書があふれている。毎月毎月、飽きもせず、各出版社があらゆる切り口を持ち出し、世の中の悩めるビジネスパーソンたちを食い物にしているのだ。 私は基本的にそういう本は自費で買わないが、仕事柄、よく読む。出版社に勤めていて良い点は、「企画立案に使う!(かもしれない)」といえれば、読みたい本を会社の経費で購入できる点である。そのため、私自身、その気もないのにそれなりにビジネス書を読んできてしまった。 そうしたビジネス書はタイトルが重要である。ハッキリ言って中身に大差はないので、いかにインパクトのあるタイトルと表紙で読者の目を惹き、「ちょっと読んでみたい」と思わせるかが重要なのだ。そして、ある1冊がヒットすると、各社はそのおこぼれに預かろうと、瞬く間に同じようなタイトルをつけた本を刊行する。 なかでも、出版業界におおきな衝撃を与えた一冊がある。それが、2005年に出版された新書『さお
