光衛星通信とは、これまでの電波(マイクロ波)の代わりにレーザー光を使って人工衛星間や衛星と地上間の通信を行う技術である。最大の特徴は電波よりも高速な通信ができることだ。一般的な電波通信の10~100倍に相当する10Gbps(ビット/秒)以上の速度を実現する。さらに、電波は周波数資源の枯渇が問題となっており、干渉を避けるための周波数調整に数年かかることがあるのに対し、光衛星通信は現状、国際的な周波数調整や免許が不要な点も大きなメリットである。 これまで日米欧の宇宙機関は1μm帯や1.55μm帯の赤外域のレーザー波長で実験を行ってきたが、最近になって1.55μm帯がデファクトスタンダード(事実上の標準)として業界で認識されている。 光衛星通信は約40年前から“夢の技術”といわれてきた研究の歴史の長い技術だが、ここにきて実用化に向けたフィージビリティースタディー(実現可能性の調査・検討)が加速し