三井化学は半導体製造用の次世代露光装置で使われるカーボンナノチューブ(CNT)ペリクルを量産する。岩国大竹工場(山口県和木町)に生産設備を設け、2025年12月に完工する予定。生産能力は年5000枚で、投資額は非公表。拡大する先端半導体需要に対応する。 ペリクルはフォトマスク(半導体回路の原版)の表面に装着する薄い保護膜。傷やホコリを付きにくくする機能を持ち、露光工程の生産性を向上できる。 人工知能(AI)などの活用が加速するとみられる中、データ処理を担う半導体は高速処理能力化や低消費電力化が求められている。このため回路線幅の超微細化ニーズが高まっており、微細化回路形成用の極端紫外線(EUV)露光技術の採用が本格的に拡大している。 三井化学はEUV露光の環境に対応する高い透過性や耐光性を持つCNTペリクルの事業化により、こうしたニーズに対応する。 【関連記事】 大手化学メーカー、構造改革の