矢部史郎が釈放されたようだ。 10月26日に東京で、麻生首相の自宅を大勢で「見学」に行くという企画に参加し、「公務執行妨害」などの容疑で逮捕された3人のうちの1人が矢部史郎だった。釈放は3人とも11月6日ということで、矢部らは留置場に11泊したことになる。 そもそもこの企画は、首都圏で活動する「フリーター全般労組」によって呼びかけられた。読んで字のごとく、フリーターを中心とした労働組合である。 いわゆる格差社会化の進行にともなって、すでに体制の補完物へと堕した既成の労働運動に展望を見いだせない20代30代の「若者」たちによる新しい労働運動として、このフリーター全般労組を筆頭に同様の運動が全国各地に立ち上げられ、ここ数年、注目を浴びている。 というのはあくまでもマスコミふうの云い方で、実際には80年代後半の「青いムーブメント」を源流とする、すでに20年の歴史を持つひと連なりの運動展開の現在的