さて、劇場で見てから一ヶ月以上経って、ようやく「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」について書くことができる。この一ヶ月の間に「破」については多くの意見が交換されたと思うが、僕は忙しくてあんまり見ていない。でも二次創作的だと言われているという意見をちらりと伝え聞いて、これはそんなに単純なものではないだろうと思った。では何なのか。それを、例によって今からこの文章を書きながら、考えてみたい。ただまあ、おそらく、僕の意見はこの作品を見た一ヶ月前から変わっていない。最初に僕が思ったのは鶴巻和哉がやってくれたんだということで、これは本当にすごい作品だ、ということだ。 「破」が二次創作的だという意見に対して、僕は「序」が既にそうだったというしかない。「rebuild」の「re」に込められていた反復の含意はそういうことである。旧エヴァという母体を王道の物語へと焼き直す態度はそうであった。さらに、もともと旧エヴ