自転車盗難事件が増加する一方だ。警視庁のまとめによると、今年6月末現在の都内の自転車盗難(自転車盗)事件発生件数は2万6485件。前年同期に比べ、1000件近くも増えている。特に被害が目立つのが、池袋や新宿といった副都心。そして中野駅、下北沢駅、蒲田駅、新小岩駅など、自転車利用者が多いと思われる駅周辺にも被害が集中している。 これまでこうした自転車盗のほとんどは、「歩くのがめんどくさい」といった、いわば行きずりの衝動的な犯行だった。しかし、最近ではスポーツバイク、なかでも高価なロードバイクが狙われ、窃盗団によるものと思われる犯行が急増しているという。 だが、高価なロードバイクであれば、当然オーナーがきちんとカギをかけてあったはず。どうして、そうした自転車が盗まれてしまうのだろうか。カギのトラブルとセキュリティの専門家で『カギの救急車 新宿店』のセキュリティ部部長の佐野誠一氏はこう指摘する。