欲や打算から解放されて、本当の意味で「他者とつながる」恋愛をするにはどうすればいいのだろう──元僧侶の筆者が、自分の経験を振り返りながら綴る。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 修行してから社会に帰ると… 10年前のことだ。当時の私は25歳で、もう3年も彼女がいなかったし、そもそも恋愛しようなんて考えもしなかった。その頃の私はヒンドゥー教の僧侶として仕え、瞑想をしたり、経典を勉強したり、インドやヨーロッパ各地を巡り、仲間の僧侶たちと一緒に奉仕していたのだ。 僧侶が禁欲することはよく知られているが、それはただセックスをしないということではない。それは、人と恋愛関係をもってはいけないということを意味する。 僧侶を指すサンスクリット語の「brahmacharyi」の本来