先週から、関川夏央さんの『「坂の上の雲」と日本人』の文庫版解説を書いて、バッキー井上さんの『京都店特撰』の解説を書いて、橋本治さんの『明日は昨日の風が吹く』の解説を書いた。 解説と書評の依頼が多い。 知り合いの著作についてはお引き受けしているが、連載の書評や、新聞の書評委員の依頼はお断りしている(うっかりひとつだけ連載の書評を引き受けてしまい、ひどく後悔している)。 もちろん書物についてあれこれ論じるのは私の好むところであり、ほうっておかれてもいくらでもやるのだけれど、他人から頼まれて仕事としてやるのはあまり楽しくない。 解説や書評を書くということになると、愉悦的読書が許されないからである。 何を書こうか考えながら、あちこちに付箋を貼ったり、赤鉛筆で線を引いたりして読むのと、寝転がってけらけら笑いながら読むのとずいぶん気楽さが違う。 なんだか一冊分だけ読書の快楽を損したような気になる。 ぶ