2009年にパリのグラン・パレで、故イブ・サンローラン氏の遺産として競売に出品されたブロンズ製のウサギの頭部像(右)とネズミの頭部像(AP) 仏流通大手PPRのフランソワアンリ・ピノー会長は26日、北京で中国国家文物局の幹部と会談した。会長は清朝の離宮、円明園から略奪され、ピノー家が保有するブロンズ製のネズミとウサギの頭部像を「無償で中国に贈る」と述べ、返還する考えを明らかにした。新華社などが伝えた。 返還されるのは1860年に第2次アヘン戦争に伴う英仏連合軍の北京侵攻で略奪された十二支像のうち2体。2009年にフランスの服飾デザイナー、故イブ・サンローラン氏の遺産として競売に出品された。中国は反発し、競売の差し止めを求めたが、計3140万ユーロ(約40億円)で落札された。だが落札者が支払いを拒否し、ピノー家が買い取ったとされる。PPRは高級ブランド「グッチ」を傘下に置いており、ピノー会長