奥州市前沢区白山の六日入白山神社(華山和光宮司)で13日、150年以上絶やすことなく続けられる神事「献饌(けんせん)の儀」が行われた。かみしもやはかま姿の氏子ら約40人が、供物を携えながら地区内を行列。宿主の家から神社までを練り歩き、五穀豊穣(ほうじょう)と家内安全を祈願した。 「特殊永代献膳の儀」とも呼ばれる同神社の神事は文久元(1861)年から始まり、市の無形文化財に指定されている。集落の中で毎年持ち回りで宿主を務め、地域の伝統行事として守られてきた。 同日は、同神社の菅原正守総代長(85)を先頭に、今年の宿主を務めた千田春男さん(68)、膳に載せた供物(盛立(もったて))や供華を持った氏子らが列を成した。時折、ほら貝と太鼓を響かせながらゆっくりと歩いて神社を目指した。 供華や盛立は全て手作り。毎年熟練者が大麦、小麦、豆、もち米などを、木の筒に一つ一つ貼り付け2、3カ月かけて完成