一昨日書いたことへの補足。 かなり荒っぽいところのある話だったので、特に「マジョリティ」と「マイノリティ」といった言葉に関連して、もう少し整理してみたい。 「断片的な声」の浮上・嘲笑 ウェブ上のコミュニケーション空間の発達は何をもたらしたのか。 現代社会は、「人間は誰でも複数の属性に帰属している」という事実への自覚を人々にもたらしたが、インターネットの発達はそれを急速に強化した。 たとえば、ある属性のために差別や不当な社会的扱いを受けている人間は、その事柄に関しては「当事者」だが、その人の生には「当事者」でない別の面もある。 「人はすべての事柄において当事者であるわけではない」ということ、つまり帰属の複数性という事実は、人格についての統合的な働きが強固だった社会では、明瞭に意識されることがなかった。本人が「当事者」であるところの有力な属性が中心となって、その人の人格を意識において統合し、他