ブックマーク / signal3.hatenablog.com (119)

  • みっちゃんと…3 - signal3のブログ

    「御礼だなんてそんなの、いいですから!でもこうやって再会出来たのも何かの縁、軽く一杯行きますか?」 「はい!」 2人は決して大きくもない傘に無理矢理入って駅前の居酒屋に向かった。 「ちゃんと入らないと濡れますよ、てっちゃん」 「みっちゃんこそ、自分の傘なんだから」 「笑笑」 「そこでいい?」 「はい、何処でも!」 「乾杯!!」 「改めてお詫びします。てっちゃんを巻き込んで当にごめんなさい」 「いいんですよ!うまく切り抜けたんだし、こうやって再会出来たのも僕は嬉しいです」 「でもびっくりしたでしょ!?」 「そりゃ最初はちょっとパニクりましたよ!知らない美女が切迫感溢れる表情でこっちに来るんだもん!」 「笑笑」 「素朴な質問、何で僕の所に?」 「私のほうがもっとパニクってたんですよ、理由なんてわかりませんけど、たぶん目が合って能的にそう思ったんじゃないかな?」 「能」 「だってあの状況で

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    ot_nail
    ot_nail 2022/08/23
  • みっちゃんと…2 - signal3のブログ

    改札を出て地上に上がると雨だった。 「え!?」 確かに天気予報では所により一時雨と言ってたが (一時って今かよ!? 所ってここかよ!?) そう思ったのは信彦だけでなく、この駅の軒下で雨宿りしてる数百人も全く同じ事を思ったはずだ。 「てっちゃん」 信彦は先日の図書館での出来事を思い出した。やからに追われた女性を助けた?いや、何とか切り抜けたって表現が相応しいかもしれない。 女性からとっさに 「てっちゃん」 と呼ばれた。 信彦はそれを思い出し顔に出さず心の中で笑った。 ん?誰かもう一回てっちゃんって呼んだ? (すいません、僕はてっちゃんじゃないんで) 肩を叩かれ 「てっちゃんですよね?」 僕をそう呼ぶのはあの人しか…ゆっくり振り向くと 「あっ、やっぱりそうだ、てっちゃん”笑」 女性が悪戯っぽい顔で言ったので信彦も負けじと 「あー、みっちゃん!」 お互いに笑う。 「その節はありがとうございました

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    ot_nail 2022/08/22
  • みっちゃんと…1 - signal3のブログ

    信彦は図書館で国家試験を受ける為の勉強をしてた。 自宅でもいいのだが、信彦は学生時代から割と図書館を利用してる。 自宅は生活の場でもある環境なので、誘惑もあり、なかなか集中出来ないが、ここはその為の場所なので、わざわざ足を運ぶ事を差し引いても、充分価値があり、モチベーションも上がる。 信彦はその女性と一瞬目が合った。 知らない人だが女性は迷わず信彦に近付いてそのまま信彦の隣に座った。 「助けて下さい!」 女性の小さいが鋭い声と切迫感溢れる表情で信彦は何かを察し、周りの様子を見る。 どう見ても図書館とは縁遠い風貌の男が入って来た。 女性の顔がみるみる強張る。 信彦はとっさに 「遅いよ、みっちゃんもう 笑」 女性も機転を利かせて合わせてきた。 「ごめんねてっちゃん!電車一遅れちゃって 笑、ちゃんと勉強やってる?」 「遅れて来て何言ってる! 笑」 信彦は女性と会話しながらも、目の端で男の様子を

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    ot_nail 2022/08/21
  • 幸星の兄妹愛 2 - signal3のブログ

    「だいたい両親が大したことないのに」 「ちょっと幸星!失礼な事言うんじゃないわよ!!」 「じゃお母さん、陸上得意だったの?」 「いや…お、お母さん は、それ程でも…お母さんは…☆%〒*…」 「お父さんは?」 「お、お父さんは…スキップすら満足に出来ない」 「ね、だから足が早いのは当に今だけかもしれないって事。で、中学3年の時、推薦の話があったら、その時は前向きに考えようと思う。」 「ふーん…理由はそれだけなの?」 「まあ、1番の理由はそれだよ。後は友達」 「友達ね」 「どうせ高校は、ばらばらだろうけど、せめて中学校まではみんなと一緒にいたい。ずっと一緒だったからね」 「女子も?」 「女子?女子は別に…」 「幸星君、君は3軒お隣のお嬢様の事は考えなかったの?」 幸星は左手で 「1、2、3…えっ、田中さんとこの彩音ちゃん?」 「ばか左じゃないわよ!彩音ちゃんはまだ保育園でしょ!しらばっくれて

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    ot_nail 2022/08/20
  • 幸星の兄妹愛 1 - signal3のブログ

    「幸星、また借りてきたの?」 「うん、図書委員が何も借りないってのもあれだし、ちょっと頑張って借りてる。でも無理してるんじゃないから 笑」 「亜夢は?」 「寝たよ」 「そうなの?幸星ちょっと座りなさい」 「座ってるけど 笑」 「こっち向いて」 「向いてんじゃん 笑、何?」 「当にいいの?」 「何が?」 「推薦の話だよ、もう正式にお断りしたけど、幸星の中で何も迷いはなかったの?」 「決断するまではいろいろ考えたけど、今はもう何もないよ」 「じゃ何を考えてたの?全部言いな」 「えー!全部!?笑」 「あんたお母さんに全部言ってないでしょ」 幸星はあきらめたようにため息をついてから 「まずね、俺はまだそんな選手じゃないよ」 「全国大会の決勝まで行ったんだよ」 「それは、俺が他の人より成長が早かっただけかもしれないじゃん。他の人は中学校になってから二次成長期だから、そこで俺に追い付くか、追い越す

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    ot_nail 2022/08/19
  • シャイな若者 4-7 - signal3のブログ

    今日、順一君は久し振りに日替わり定をしっかりと味わう事が出来た。たぶんここに通い始めた頃以来だと思う。 何故味わえなかったかと言えば、あの店員さんの影響が大きい。 それは途中から気付いた訳で店員さんがいるとドキドキするようになって、話し掛けられても、まともに返事も出来ない。 元々人とのコミュニケーションが苦手だが、相手が店員さんだと特に上手くいかない。 どうしてなのか今の順一君にはわからなかった。 挙げ句の果てに昨日は、店員さんの優しい見送りに対し“逃亡”という前代未聞の罪を犯してしまったが、そんな最悪の状況の中、桜井ママからアドバイスを、順一さんから勇気をもらって、店員さんにお詫びとお礼を何とか言えた。 誉められた言葉じゃなかったが、店員さんの“嬉しかった”の一言に順一君は救われた。 「田口さん、お茶どうぞ」 「えっ、今日も?…」 「もう今日はお客さん田口さんだけなんで、遠慮しないでど

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    ot_nail 2022/08/18
  • シャイな若者 4-6 - signal3のブログ

    順一君はまだ迷っていた。 だって桜井ママは店員さんは怒ってないと言ったけど、何を根拠に言ってるのかわからないし、そもそも桜井ママは店員さんのこと知らないじゃんか。 いつもなら最寄駅から真っ直ぐ定屋さんに行くのだが今日はなかなか歩が進まない。 別に用事もないのにコンビニに寄って、たいして読みたくもない雑誌を眺める。 不意に桜井ママの言葉が頭をよぎった。 “あんた何やってんのよ!”それは桜井ママの言葉であり、そして順一さんに“お前何やってんだ!”と当に言われたような気持ちになり、とても不思議な感覚だった。 そうだ、助けてもらった順一さんの為にも、ここでこんなことしてられない。順一君は読んでた(開いていただけの)雑誌をパタンと閉じるとコンビニを出て、定屋さんに向かう。 (順一さん、僕にちょっとだけ勇気を貸して下さい) 「いらっしゃいませ」 「こんばんは」 「あー!田口さん 笑、いらっしゃい

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    ot_nail 2022/08/17
  • シャイな若者 4-5 - signal3のブログ

    『桜井ママ…』 『どうしたの順一君』 『僕…僕!』 『順一君、ちょっと落ち着きなさい。ちゃんと話聞いてあげるから、ね!何があったの!?』 『今日定屋さんの店員さんが、せっかく見送りしてくれたのに、僕、僕恥ずかしくて、挨拶もしないで走って逃げて来ちゃった』 『まぁ…』 『僕、情けないです、人として最低限の礼儀も出来ないなんて。店員さんに申し訳ないから、もうあの店には行けません』 『順一君、何でそんな逃げるほど恥ずかしかったの?』 『よくわからない…』 『お見送りされて嫌な気持ちだった?』 『嫌じゃありません!』 『じゃ、嬉しかったの?』 『うーん、嫌とか嬉しいとかより、どうしようって思いが強かったかも…』 『店員さんはいつも順一君をお見送りしてくれるの?』 『違います!今日が初めてです』 『あと他には?その店員さん何かしたの?』 『手を…』 『手?手をどうしたの?』 『握ってきました』 『

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    ot_nail 2022/08/16
  • シャイな若者 4-4 - signal3のブログ

    店員さんが素敵な笑顔を見せてる(はずな)のに、どうしても目を合わせられない。 順一君はこれを何とか克服しようとしてるが、なかなか出来ない。 これが出来ればもっと前向きに生きられるはず… 桜井ママが言うように素敵な財産になる。 お茶をすすりながらそんな事を考えた。店員さんは他のお客さんの対応に行ったので少しドキドキが収まったので順一君は帰る事にした。 レジに向かう。 店員さんが他のお客さんの対応をしながら 「田口さん、ちょっと待って下さい」 順一君はまた店員さんとの“触れ合いタイム”を期待した。 恥ずかしいくせに。 しかし、もう1人のおばさん店員さんが 「いいよ、お客さん待たせたら申し訳ないよ。はい、ありがとうございました、750円になります」 順一君は千円札を置いて少しお辞儀をした。 「千円のお預かりですので250円のお返しです」 普通のやり取りだった。 ドキドキもない、“触れ合いタイム”

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    ot_nail 2022/08/15
  • シャイな若者 4-3 - signal3のブログ

    「こんばんは」 「こんばんは田口さん 笑、いらっしゃいませ」 「きょ、今日は寒かったですね」 店員さんは少し驚くも、すぐに笑顔で 「そうですね、寒かったですね~!田口さんはお仕事で外とか出るんですか?」 「た、たまにです」 「風邪とかひかないように 笑」 「ども」 これ以上の会話は厳しい。 自分から話し掛けておきながら、何てだらしないんだと自分を責めた。 店員さんが他のお客さんの対応に行ったので順一君は少しホッとしたくせに何故か店員さんを目で追う。 店員さんと会話したいのにドキドキして話せない。 桜井ママなら普通に話せる、ほぼ母親に近い人だから。 職場の人とも少しずつだが何とか話せるが、どうしてこの店員さんとはドキドキするんだろう? そんな心と行動が相反する自分に矛盾を感じながら店員さんを見た。 店員さんはびっくりした顔をして順一君に近付く。 そんな店員さんの行動に順一君もびっくりした。

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    ot_nail 2022/08/14
  • シャイな若者 4-2 - signal3のブログ

    店員さんと触れ合って嬉しかった気持ち。 桜井家の“3人”にもてなしを受けて嬉しかった気持ち。 同じ嬉しい気持ちでもちょっと違う、何かが…その何かが今の順一君にはまだよく理解出来なかった。 それでも順一君の足取りは軽く鼻歌までも!自分で驚いて少し笑った。 (鼻歌なんて、いつ以来かも憶えてないな…僕、どうしたんだろう) アパートに着くまで鼻歌はやまなかった。 『桜井ママ、こんばんは』 『あら、順一君こんばんは、何かいい事あったの?』 『いや、べ 別に何でもありません!』 『そう?随分嬉しそうな感じしたからね、私の思い過ごしかしら?』 『そうですよ、桜井ママの思い過ごしです。僕は別に何も変わってません 笑』 『あら?あんた今笑ったね!?』 『いや、僕だって笑う事くらいありますよ』 『初めて聞いたわよ!まぁ、それだけ順調に元気になってきたって事ね!』 『はい、桜井ママのおかげです!』 『あとは?』

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    ot_nail 2022/08/13
  • シャイな若者 4-1 - signal3のブログ

    「いらっしゃいませー あ、いらっしゃいませ田口さん 笑」 「こんばんは 笑」 (昨日よりは少しスムーズに言えたかな?) 「こんばんは 笑笑、お仕事お疲れ様でした 笑」 (ええー、そんな事言われたらどう答えたらいいかわからないじゃん) 「あっ、どうも」 (それくらいしか言えないよ…何か気の利いた事言えれば場も和むんだろうけど…例えば店員さんも毎日お疲れ様とか…無理無理無理無理、桜井ママになら普通に言えるんだけどな) 「…さん、田口さん」 「っあっ!はい!」 「笑 、いつものでよろしいですか?笑」 「あっ、はい日替わりお願いします」 「はい、お待ち下さい、日替わり1でーす!」 携帯を開く。順一君は時間のある時はニュースか携帯漫画を見る。 元々読書好きなのでこの店でも注文してから料理が出てくるまでの間よく携帯漫画を見ていた、最初は。 でも最近は携帯を開いても全く情報が入ってこない。 他に気になる

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    ot_nail 2022/08/12
  • 独身最後の日2 - signal3のブログ

    田所家の長女詩織は明日結婚式を挙げる。 娘との約束の今日、母親があの思い出深いグラタンを忘れる筈がない、この人も忘れてなかった。 「母さん、詩織は?」 「あちらのお家に行ってるよ。夕方には戻るけど」 「じゃ、今夜はグラタンか…」 「駿作!あんた覚えてたの!?さすがお兄ちゃん!」 「いや、忘れてたけどさっきふっと思い出したんだ」 駿作は少しぶっきらぼうに言うとキッチンを出て行った。 母親はニヤリとして小さな声で 「隠れシスコンめ」 そう言って笑った。 「ただいま!」 「詩織?おかえり、早かったわね」 「うん、何か手伝おうか?」 「いいわよ、もう出来るから」 「今日の晩御飯何?」 「あんた白々しく聞くわねぇ!10年前にリクエストされたグラタンです」 「覚えててくれたんだ笑」 「当たり前でしょ!お兄ちゃんも覚えてたわよ 笑」 「みんな、御飯よー!」 卓に4人が座る。 「今日は詩織が10年前にリ

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    ot_nail 2022/08/11
  • 独身最後の日1 - signal3のブログ

    やっぱりお母さんのグラタンおいしい…ここ最近でも一番……」 「詩織、なんで泣きながらべるの 笑」 「お母さんだって泣いてるじゃん 笑」 「2人共うるさい!」 「お父さんまで泣いてる! 笑」 「詩織、独身最後のグラタンだから♯@☆&」 「お兄ちゃんが一番泣いてるよ 笑」 「独身最後の晩御飯はお母さんのグラタンって決めてたの、あの日から」 あの日とは… 田所詩織は高校一年生の時白血病を患い、早速家族でドナー検査をしたところ、両親とも不適合だったが兄の駿作の型が適合した。 思春期でもあり普段はろくに会話もしない兄妹だが、この時兄の駿作は医者に向かって 「骨髄でも脊髄でも血液でも、何でも提供しますから妹を、大事な大事な詩織を助けて下さい!お願いします!」 と泣きながら医者の手を握って頼んだと言う。 後日この話をすると駿作はいつもとぼけて 「一切記憶にないから母さんの記憶違いだと思う」 とあからさ

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    ot_nail 2022/08/10
  • トトロさん?2-12 - signal3のブログ

    「薔薇岡さん、もう少し時間があるなら写真とかどうですか?僕三脚待ってるんで」 「ああ!いいですね、是非」 「斗真君写真撮る?」 「うん、撮る!」 まずは全員で1枚撮るのだが誰が斗真君の隣に行くか少し揉めたが、それは当然ながらパパとママだった。 斗真君を両親が挟んだ以外は薔薇岡家と若者がバラバラに混ざり合い、1つの仲間か大家族にも見える。 次に薔薇岡家の強い要望でトトロさんが薔薇岡家の中に1人加わる。 助けてくれた御礼と記念に是非と言われ、斗真君を膝に抱いて、薔薇岡家がそこを囲んだ。 その後はいろいろなパターンでそれぞれが撮り合う。 アンダーソンと桜ちゃんが斗真君を挟んで撮ったり、斗真君おばあちゃんが翔馬君と腕を組んで撮ったり、これには翔馬君もびっくりしたが、おばあちゃんの勢いに翔馬君が圧倒されたかたちだった。 写真タイムが終わると、斗真君が紅葉を1枚ずつ皆んなに配った。 薔薇岡家の家族だけ

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    ot_nail 2022/08/09
  • トトロさん?2-11 - signal3のブログ

    「これトトロさんの車?」 「そだよー」 「へー、凄いなー!あっ!ここにもバス!」 車の天井に設置されたバスのティッシュボックスを指差す。 「斗真君よく見つけたねー、凄い!」 智香ちゃんに褒められて、満面の笑顔になる斗真君。 「じゃあ斗真君出発するよー」 「いいよ、出発進行!」 「笑笑笑」 「斗真君、次止まったら今度はママと一緒に帰るんだよ、約束出来る?」 「うん、約束する」 「偉い!斗真君お利口さん」 智香ちゃんに頭を撫でられて、はにかむ斗真君。 それを見て一段と、斗真君を可愛く思う智香ちゃん。 「トトロさん、あの紅葉までってどれくらいだったっけ?」 「15分くらいだったかも…はっきりとは覚えてないけど」 「じゃあ斗真君とは、あと15分でお別れか…寂しいな」 母性なのか、智香が斗真君をギュッとハグする。 「お姉ちゃん苦しい」 「ごめん、斗真君!」 「いいよ、僕もみんなとお別れ寂しいから

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    ot_nail 2022/08/08
  • トトロさん?2-10 - signal3のブログ

    「すみません、何かいたずらでも?」 「いいえ!」 お姉さんが斗真君ママに耳打ちする。 斗真君ママがびっくりすると、お姉さんは右手の人差し指をたて、唇に当てた。 斗真君も真似をして、喜んでしーのポーズをとる。 智香が目線を合わせるように膝を床につけて 「斗真君何したの?教えてよ」 「ダメー!内緒!」 「笑笑笑笑笑!」 「当にお世話になりました」 斗真君のおばあちゃんが頭を下げると、薔薇岡家もトトロさん一行も、皆んなでお礼を言った。 「いえ!あんまりおかまいもせず、こちらこそありがとうございました」 「館長さん、また改めて来させていただきます」 「是非おいで下さい、お待ちしてます」 「館長さん、温泉事最高でした!」 「ありがとうございます」 アンダーソンと桜ちゃんが妙なアクセントで同時に 「カンチョー?」 と言った。 「アンダーソン!桜ちゃん!2人共イントネーションが変!」 館長さんと薔

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    ot_nail 2022/08/07
  • ボブ達鍋パ編18 - signal3のブログ

    「彼女の亜夢ちゃんがみんなの為に一生懸命鍋を作って、みんなに美味しいって言ってもらえた事、当に良かったですねって。ボブ君の御両親はきっと泣いて喜んでると思います」 「いや、私はそんな…」 そう言いながらも亜夢ちゃんは既に泣き顔に。 すかさず、果音とエルが亜夢ちゃん肩を両側から抱き 「もう!何で泣くの?」 「そうだよ!今日はみんな亜夢ちゃんに感謝してんだから!」 「私、私はただボブさんの役に立ちたいだけで、ただボブさんの言われた通りにやっただけで、私なんか別に」 「違うよ亜夢ちゃん、さっきも言ったでしょ、ボブに言われた通りでも、亜夢ちゃんの気持ちがこもってるからみんなが喜んだのよ。あっ!隊長さん、写真も料理も同じって事ですか?つまり、気持ちの入れ方次第で変わる」 隊長さんはにっこり微笑んでから 「その通りです。それを踏まえて、もう一度私が撮った写真の中にあるボブ君の御両親の顔見て下さい」

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    ot_nail 2022/07/24
  • ボブ達鍋パ編17 - signal3のブログ

    「私の持論を言わせて頂ければ」 「あなた、余計な事言わなくて良いから!すみません、みなさん」 「違うよさっきの話の続きだよ。」 「何の話?」 「カメラの話」 「あれ?まだ終わってなかったの?笑」 「私が撮る風景とか花など自然のありのままの姿、それが好きで撮るんです。人も同じですよ、最初にみんなで身構えて撮った集合写真は記念なる意味では大変結構ですが、やはり自然体の表情が1番です。美味しい鍋だと褒められて照れる亜夢ちゃんの恥ずかしがる表情とか、ライク君がクイズに答える顔は表情豊かで素晴らしかったです。えーと、それが…あった、こんな感じ」 「わー!亜夢ちゃん可愛い!」 「で、これがライク君」 「出た!ライクが嘘ついたりした時にする顔」 「悪い顔、悪い顔!笑」 「笑笑笑」 「何だよ!悪い顔って!俺とエルは場を盛り上げようと思って必死に…」 「必死じゃない、悪い顔だ」 「笑笑笑」 「私はライク君の

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    ot_nail 2022/07/23
  • ボブ達鍋パ編16 - signal3のブログ

    「でもね、アーモンドとカシューナッツはすぐに見つけたんだけど、ピーナッツが中々探せなくて、慌てて柿の種手に持ったらライクがそのまま“柿の種”って」 「笑笑笑笑笑」 「焦ったわよ!笑、豆だから連想してピーナッツって言うと思ってたのに、まんま“柿の種”って」 「笑笑笑笑笑」 「エル、ライクがそこまで機転がきくわけないだろ」 「おい!失礼だぞ!」 「実際機転きかなかったじゃんかライク!笑笑」 「やっとピーナッツ見つけて、ライクも言いなおしたけど、不審者みたいにキョドッてたから、私から白状したの」 「笑笑笑」 「でもエル、よくまあ咄嗟にライクのアシスト出来たわね!」 「私はさっきキッチンで、亜夢ちゃんから試させてもらってたから答えわかるけど、ライクはどんだけべてもわかるはずないのに、みんなに乗せられてさっきのリベンジするって言い出したから」 「べ、別にエルのアシストなくても大体わかったけどな」

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    ot_nail 2022/07/22