【北京=山本勲】中国の金融リスクへの警戒感が強まってきた。中国全体の経済成長が鈍る中にあって、見せかけの高成長を目指す地方政府が「影の銀行(シャドーバンキング)」を通じた高利資金で公共事業を拡大し、債務不履行の連鎖が、金融危機を招く可能性が心配されているためだ。 ■中央も認識 「わが国の経済運営は困難に直面している。世界的な(通貨)流動性の急増で国際金融危機が頻発しており、金融分野のリスク対策を強化せねばならない」 習近平国家主席は、4月25日の党政治局常務委員会議でこう強調した。最高指導部がこの時期、経済情勢を討議するのはまれで、危機感を物語っている。 3月末には銀行の元締めである中国銀行業監督管理委員会が、「一部の銀行は融資管理を怠り、投資リスク対策がおろそかになっている」と、影の銀行によるリスクの高い信託や債券業務の急拡大を厳しく批判し、透明性向上を求めた。 影の銀行には、(1)既存