ブックマーク / reki.hatenablog.com (35)

  • ブラジルの近現代史(1) - 帝国ブラジルの野望 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    21世紀の大国・ブラジルの近代史 ブラジルという国はGDPは世界9位(2016年度)であり、天然資源や工業部門で世界経済に占める割合は大きなものがあります。 日人の移民の歴史も長く、3世や4世の日系人が日で就職するケースも多く、人的な結びつきも強い国です。 にも関わらず、ブラジルの歴史というのはあまりにも馴染みがありません。 今回はブラジルがポルトガルから独立した1822年から20世紀までの歴史を、全4回に渡って追っていきたいと思います。 1. 独立の英雄・皇帝ペドロ一世 国に反旗を翻したポルトガル皇太子 ブラジルは長い間、ポルトガル帝国の海外戦略の中心でした。 植民地ブラジルがあげる富の量は国よりも大きかったし、ナポレオン戦争中はポルトガル王室はブラジルに避難しており、1815年から1821年の間、ポルトガルの首都はリオ・デ・ジャネイロにありました。 クリオーリョ(南米に生まれ育

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    otakky 2017/08/08
  • ブラジルの近現代史(2) - 帝国の崩壊と共和国の発展 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    共和制ブラジルの発展とナショナリズムの成立 21世紀の大国・ブラジルの近代史をまとめています。 前回はブラジルがポルトガルから独立し帝政の下で政治的・経済的な安定を図りつつ、対外拡張戦略によってナショナリズムを高揚させ、一方で奴隷制廃止という大きな方針転換を成功させた歩みをまとめました。前回の記事はこちらから。 今回はブラジルが経験した最も大きな戦争であるパラグアイ戦争から、帝政の崩壊、そして共和制初期までをまとめていきます。 3. パラグアイ戦争の勃発 周辺各国に介入を続けるブラジル ペドロ二世時代、ブラジルの最大のライバルは対外膨張主義を進めるアルゼンチンでした。 アルゼンチンの独裁者フアン・マヌエル・デ・ロサスは、ウルグアイとパラグアイを含めた地域を「大アルゼンチン」として併合しようとしており、ブラジルはこれに対抗する形で、緩衝国ウルグアイとパラグアイへの干渉を強め親ブラジル派を支援

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    otakky 2017/08/08
  • なぜ李氏朝鮮は社会発展が停滞したか - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    何が中華の優等生の発展を阻害したのか 李氏朝鮮(1392年〜1910年)は、日で言うと室町時代から明治時代まで朝鮮半島を統治した王朝。 訓民正音(ハングル)の制定や「経国大典」の作成など、現在の朝鮮半島の大きな部分を成す文化が作られた一方で社会発展は著しく停滞。 朝鮮はもともと日よりよっぽど文明国だったのですが、19世紀末に日が素早く近代化に成功したのに対して、自浄作用がうまく機能せずにとうとう1910年に日に併合されてしまいます。 何が李氏朝鮮の社会発展を阻害したのか。 組織論としても、現代韓国を見る上でも重要な視点だと思います。 1. 国の建国理念 崇儒排仏 李氏朝鮮は建国理念に「崇儒排仏」を置きました。その名の通り「儒教を重んじ、仏教を排除する」こと。 理由としては、前王朝である高麗の建国理念が仏教であったので前王朝の権威を否定する狙いがありました。 来高麗王朝は、儒教を軽

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    otakky 2017/03/23
  • 歴史を動かした冷戦時代の米ソのスパイ - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    米ソ両国のスパイによる情報合戦 スパイ合戦はいつの時代もあるものですが、東西冷戦時代は2つの大国がさも当然のようにお互いの情報機関の人間を使って情報を探り合っていました。 母国の重要な機密情報を扱う立場にありながら敵国のスパイになるという感覚はあまりピンとこないのですが、思想的な共感や、母国に対する怒り、または単純にカネが目的など理由も様々です。 実際に彼らスパイがもたらした情報により、歴史を動かす重大な意思決定がなされる場合もありました。 1. ジュリアス&エセル・ローゼンバーグ(アメリカのソ連スパイ) アメリカの原爆計画をソ連に提供し処刑された民間人 ニューヨークに住んでいたアメリカ人、ジュリアスとエセルの夫婦は、「初のスパイ容疑で死刑となった民間人」です。 夫ジュリアスは1940年に米軍信号隊の民間技術者となり、その後の戦争で共産主義に共感を覚えたといいます。1945年に解雇されまし

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    otakky 2017/01/19
  • 【ミステリー】世界に散在する謎だらけの古代文明 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    教科書に最初に登場する文明以前にあった文明 世界史の教科書の一番初めは、アウストラロピテクスとかクロマニヨン人とかですが、その次は黄河文明、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、クレタ文明、アッシリア、ヒッタイト等々、古代世界のメジャーどころが名を連ねます。 ですが、このような古代文明もある時突然起こったわけではなく、彼らの前任者が何千年と文化技術・言語・宗教・芸術を発展させた上で花開いたものであります。 ということで、今回はメジャーな文明が登場する前に存在した、謎多き古代文明をご紹介します。 1. ハッティ文明(アナトリア半島) ヒッタイト帝国の礎となったアナトリア初期の古代文明 紀元前2600年〜紀元前1800年ごろまで、アナトリア半島にはハッティ文明が栄えていました。この地域の最も初期の頃に出来た都市文明であると考えられており、彼らの存在はメソポタミアのアッカド文明のタブレ

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    otakky 2016/12/15
  • 1917年 幻の日米開戦・ツィンメルマン電報事件 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    1917年に起こっていたかもしれない日米開戦 ツィンメルマン電報事件とは、 第一次世界大戦末期の1917年、ドイツの外務大臣アルトゥール・ツィンメルマンがメキシコ政府に送った電報から騒ぎに発展した謀略事件。 電報の内容は「メキシコがドイツと同盟し、アメリカへ宣戦布告する」よう促す内容でした。 これには続きがあり、メキシコが日を説得して連合国を裏切り、ドイツと同盟を結んでてくれるよう説得を求めるという驚きの内容が記載されていました。 これは時のメキシコ大統領カランサによって拒否されたため、日独墨・三国同盟は幻と消えました。 それにしても、なぜこのような突飛な提案がドイツから、しかもメキシコになされたのでしょうか。 電報の内容 電報の内容を引用します。 我々は2月1日から潜水艦による無制限攻撃を開始する。我々はアメリカが中立の立場を保ってくれるよう、最大限の努力を図るつもりである。しかしそれ

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    otakky 2016/09/22
  • アメリカが外国から受けた「本土攻撃」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    史上いくつかあった、敵国によるアメリカ土攻撃 911テロはこれまでアメリカが受けた「敵対勢力」による攻撃の中で最大のものと言っていいと思います。 大規模な被害が出たことに加え、911が新しかったのは敵対勢力に「正体がない」こと。「ここを叩けばいい」という敵の丸が存在しないのが、21世紀の戦争です。 それまで実は何回も「敵国」による土攻撃は決行されていますが、正直大した被害は出ていませんでした。 そのような歴史的経緯があったので、テロ後アメリカは今起こっていることが理解できず、これまでやってきたようにアフガンやイラクでの戦争に突入していったと言えるかもしれません。 今回はこれまでアメリカが受けた「土攻撃」」をピックアップします。 1. アンボス・ノガレスの戦い 突発的に起きた米墨間の戦闘 第一次世界大戦ではアメリカは連合国側に立って参戦していましたが、当時メキシコは中立の立場にありま

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    otakky 2016/09/22
  • 【WW2】ハンガリーが枢軸国側で参戦した経緯 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    大ハンガリーの領土回復への夢と絶望 第二次世界大戦の枢軸国の主要参戦国は、日ドイツ、イタリアばかりがクローズアップされますが、ルーマニア、ブルガリア、フィンランド、クロアチア、タイなども枢軸国側に立って参戦しています。 ハンガリーも枢軸国の一員になった国で、ソ連とアメリカに宣戦布告し主に東部戦線でドイツ軍と共に戦いました。 ハンガリーも他の枢軸国側と同じく親独・親伊一辺倒だったわけではなく、ハト派や保守派が何とか国を中立に維持させようと努力しますが、結局強力なドイツの外圧と国内急進派によって国を牛耳られていきました。 今回はハンガリーが枢軸国の一員になって破滅的な戦争に向かっていった経緯をまとめていきます。 話はオーストリア=ハンガリー帝国時代に遡ります。 1. 帝国の支配層としてのマジャール人 1-1. 自治を求める戦い ハンガリーの支配的民族であるマジャール人は、オスマン帝国の支配

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    otakky 2016/05/26
  • スコットランドとウェールズの独立運動とナショナリズム - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    スコットランドとウェールズのナショナリズムはいつから火を吹いたか ご存知の通り、イギリスとは正式名称「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」で、グレートブリテンとは「イングランド王国(ウェールズ含む)とスコットランド王国」の連合王国です。 ウェールズは13世紀末に早くもイングランド王国の支配下に入り、スコットランドは17世にイングランドと同君連合王国となっています。 両国はまごうことなき「イギリス」ですが、サッカーは主要3カ国と北アイルランドが独自にチームを立てていますし、それぞれ同時に議会も持っており、緩い独自性を保有し続けています。 ですが、2014年に行われたスコットランドが分離独立の可否を問う投票が行われるなど、イギリスの分解の動きが加速し始めていますのはご存知の通り。 今回は独自性を志向するウェールズとスコットランドのナショナリズムの歴史をまとめていきます。 1. ナショ

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    otakky 2016/04/28
  • 初期イスラム教団の拡大理由=「圧倒的武力」説について - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    なぜイスラム教団は短期間で領土を拡大できたのか? 預言者ムハンマドから正統カリフ時代を経てウマイヤ朝が成立する過程で、 イスラム帝国は爆発的に拡大し、西はリビア砂漠から東はペルシア高原まで征服してしまった。その後ウマイヤ朝の元でさらに拡大し、イベリア半島やインダス川まで支配してしまいます。 なぜここまで急速に拡大したのかの理由は、ムスリムに言わせれば「正しい教えに人々が開眼したから」ということになります。 また、通常の説明だと「これまでの部族社会ではなく、宗教という新たな秩序を創造したから」というのが一般的であります。 ですが歴史学者の後藤明氏によると、「単純に人々が安全保障を求めたから」というのが主な理由だそうです。 個人的にこの説は非常に納得したので、今回要約してご紹介させていただきます。 記事三行要約 ムハンマドは自分に降伏した者は全てムスリムであるとみなした だが多くの人は自分がム

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    otakky 2016/03/31
  • ハワイの神になった探検家・クック船長の最期 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    クック船長を歓迎し、後に殺したハワイ原住民 ジェームズ・クック(1728-1779)はイギリスの探検家で、3回の太平洋の航海でタヒチやオーストラリア、ニュージーランドの周辺を航行。さらに、ヨーロッパ人で初めてハワイ諸島を発見したことでも名高い人物です。 クックは3回目の航海でハワイを発見し、地元のハワイ島民といざこざを起こしてその途上で殺されてしまったのですが、 一時はクックはハワイ島民に「神様」と呼ばれ崇拝の対象になっていました。 なぜハワイ島民は「神様」であるクックを手のひら返しで殺害したのか。 それにはハワイ島民が持っていた「まれびと信仰」と密接な関係がありました。 1. まれびと信仰とは まれびと信仰とは、「海の彼方から神がやってきて、幸せをもたらす」という観念のことです。 主に太平洋の島々に多く、日だと沖縄や奄美にも伝わっています。 「まれびと」という観念を有名にしたのは、民俗

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    otakky 2016/03/12
  • なぜハンガリーには義賊がたくさんいたのか - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    "義賊大国"ハンガリー、その社会的背景 弱きを助け、強きを挫く。農民の味方・正義の義賊。 世界各地に義賊はいるのですが、特に義賊の数が多く社会や文化に根ざしていたのが中央ヨーロッパとバルカン諸国。 このブログでは初期の頃に、18世紀〜20世紀の義賊を紹介する記事を書いており、スロヴァキアのユライ・ヤーノシークや、ハンガリーのロージャ・シャーンドル(上記写真)についても言及しました。 今回のテーマは、なぜこれらの地域で義賊がたくさん出現したのか、です。 1. なぜ盗賊は発生するか 世界的な義賊研究の権威E.J.ホブズボームによると、 盗賊が「義賊」として認識されるには以下の要因があるそうです。 農民社会の周縁部に生き、いつでも元の農民に復帰できること 義賊になるきっかけが名誉なものであること 豊かなものから奪い貧しいものに与えること 無意味な殺害はしない、悪を正すということ そして義賊は、部

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    otakky 2016/03/08
  • 100年前にアメリカで栄えた「企業町」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    会社の興亡と運命を共にしたアメリカの「企業町」 およそ100年前、アメリカ全土には約2500もの「企業町(Company Town)」があったそうです。 辺境地に作られることが多く、住人はおおよそ「会社の従業員とその家族」。 インフラも、各種サービスも、生活必需品の販売も、雇い主である会社が行う。会社の寮が超巨大になったものと考えたら分かりやすいかもしれません。 そんなことしたらコストばっかかかってどうしようもないじゃないか、と思っちゃいますが、土地が安価な辺境地に大規模な工場を作って、大量の労働者を囲い込んで安定的に操業するのは、当時はそれしか方法がなかったんでしょう。100年前なんて、鉄道も自動車も普及はまだまだでしたからね。 そして当時の「企業町」は「労働者の新たなライフスタイルを創りあげる」壮大な実験場でもありました。 100年前の野心家たちの夢の跡、かつて栄えた「企業町」を見てい

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    otakky 2016/03/01
  • こんなもの食えるか!アメリカ陸軍腐敗牛肉事件 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    兵士諸君、クスリ漬けの牛肉を召し上がれ 「彼らは、その牛肉はまるで死体のようなニオイがしたと証言した。しかし、悪夢のように悪い兵站にあって、兵士たちはそんな最悪なものでもべないとスペイン兵と戦えなかったのだ」 これは米西戦争後に米メディアが告発した「腐った牛肉缶」に関する記事の一文です。 戦争中、陸軍兵士たちに支給された牛肉缶は極めて品質が悪く、その肉をべたせいで「多くの兵士が病死した」とされました。 20世紀初頭の全米を揺るがした品スキャンダル事件です。 1. 蚊、マラリア、そして牛肉缶 スペインを排除してキューバを掌握する主張は、もともと経済界を中心になされていましたが、世論の主意見ではありませんでした。 ところが1898年5月に発生した、アメリカ戦艦メイン号がキューバのハバナ湾で爆発した事件をきっかけにして、アメリカ世論は対スペイン征伐に一気に傾いた。 その後キューバに上陸した

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    otakky 2016/02/20
  • 中世イタリア商人の「為替で簡単に儲ける方法」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    中世の「金儲けの悪知恵」とは 「楽していっぱい儲けたい」のは人類の永遠の夢であります。 世界史はそんな詐欺師が掃いて捨てるほどいるし、今でも「秒速で数億稼ぐ」とかうそぶくペテン師がもてはやされてしまうのですが、そういう強欲な連中はたいていそれ相応の十字架を背負うものです。一瞬で破産したり、不正取引で逮捕されたり、ライバルとの抗争の挙句殺されたり。 人自身はまったく発達しないわけですが、そのような「強欲さ」がテクノロジーやシステムを発達させてきたことは事実で、 日のテーマである「為替取引」もそんな中世ヨーロッパ商人の「楽していっぱい儲けたい」思いから発展したものであります。 1. 「利子を取ることは神に対する罪」 1-1. 商業技術の発達 近代資主義を支える様々な商業技術、例えば銀行や保険、簿記、会社などはルネサンス期の北イタリアで誕生しました。 互いにライバルだったフィレンツェ、ベネツ

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    otakky 2016/01/11
  • テムズ川最凶伝説・1858年の大悪臭 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    テムズ川が臭すぎる!何とかしろ! ぼくは数年前まで荒川の河口近くに住んでいたのですが、特に夏場に異様に川が臭いときがありました。 何と形容したらいいか、ドブと海藻と死んだ魚が混ざったような、ツンとするニオイ。 海辺の近くに住むことに憧れていたのですが、あのニオイはたまらく臭く、以来海辺は避けるようになりました。 しかし今回取り上げる事件に比べれば、荒川のニオイなぞ屁みたいなもんに違いありません。 1858年にロンドンを襲ったテムズ川の「大悪臭」は、市民生活に支障をきたすばかりか、政治・経済にまで深刻なダメージをもたらすほど酷く、これを契機にロンドンのインフラの大規模な見直しが即座に進められたほどでした。 どれほど臭かったのか知るよしもありませんが、歴史資料を読みながら想像してみましょう。 1. 排水を全て飲み込むテムズ川 19世紀に入るまで、ロンドンでは生活排水は路上に流されていました。

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    otakky 2015/11/03
  • 日本と中国の近代製糸工業の展開の違いについて - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    旧社会は新技術をいかに受け入れたか 高齢化と内需の縮小を受け、多くの日企業が割安な労働コストと旺盛な需要を見込んで中国や東南アジア、中東、アフリカなどに進出しています。 上手くいってる会社も多くありますが、開業時はまあ大変だっただろうと思います。 思うように資材が入手出来ない中で現地に工場を建て、意思疎通もままならぬまま現地の人を教育し、異なるビジネス習慣の中で操業にこぎつける。 なるべく工数をスキップしたいから、会社側はある程度現地住民にビジネスのノウハウがある場所に工場を建てたいところです。 ところが「技術移転」の難しいところは、会社側のやり方と現地のノウハウが全く相容れない場合があることです。もしかしたらノウハウのない地域の住民にゼロから教えていったほうが良い場合もあるかもしれません。 今回は明治時代初期に初めて日中国が受け入れた技術移転が、いかなる社会機構のもと発展していった

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    otakky 2015/11/03
  • 世界の国々で信じられている「不吉な数字」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    この数字は不吉の予兆… 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の5部に出てくるキャラクター、グイード・ミスタは異常に「4」という数字を恐れます。 実際に4発の弾丸をリボルバーに込めたらピンチに陥ったり、 4発の弾丸を落とした瞬間に味方が殺されたりしました(漫画の中の話です)。 そこまで敏感な人はあまりいませんが、中には「4」「9」をなるべく避けている人もいるに違いありません。 キリスト教文化圏の「13」「666」は不吉な数字として有名ですが、他にも世界各地には不吉な数字がたくさんあるようです。 1. 「39」(アフガニスタン) アフガニスタン、主に首都のカブール近辺では、「39」は避けられているそうです。 アブジャドという伝統の計算方式に由来するもので、どういう理屈で39が不吉なのかよくわからないそうですが、「ポン引きや売春婦の数字」と思われていて、とにかく嫌われている。 自動車のナンバープレートや

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    otakky 2015/10/31
  • 「イタリア料理」の統一運動 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    いかにして「イタリア料理」が作られたか パスタ、ピザ、生ハム、ラザニア、リゾット。 「イタリア料理」と言われると思い出すのは、 だいたいこの辺りではないでしょうか。 ただ一口に「イタリア料理」と言っても、パスタもピザも、地方や家庭によって星の数ほどもバリエーションがあるし、生ハムもリゾットも、地域によってはポピュラーじゃなかったりします。 イタリアには様々な地方料理があり、ラツィオ料理、プーリア料理、シチリア料理、ピエモンテ料理などなどその豊かさには圧倒されるのですが、あまりにバリエーションがありすぎて「イタリア料理」という明確に定まったものが存在するわけではないです。 ただ「イタリア料理」というものは漠然と意識の上で存在し、イタリア人はイタリアの文化を大変誇りに思っている。その中でも特に、自分たちの郷土料理こそ一番だと思っている。 今日はどういう過程で様々な地方料理が「イタリア料理」と

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    otakky 2015/10/15
  • 「真のイスラム国家」を巡る議論の歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    イスラム法による統治に対する解釈を巡る論争 ごく普通の日人が持つ「イスラム」や「イスラム教」についてのイメージは 戒律とか教えが厳しそう なんか良く分かんないけど、いっつも戦争やってる くらいの極めて曖昧なものではなかろうかと思います。 ただどっちも半分は合っていて、イスラムの歴史は外敵との戦いは勿論、コーランの教えの解釈を巡って同じイスラム教徒同士で戦い続けた歴史でもあります。 日では大規模な宗教戦争や国を二分するような論争が起こったことがないため、なぜ解釈の違いだけで殺し合うのかイマイチ想像ができないのですが、当のイスラム教徒にとっては当に生きるか死ぬかの大問題だったりします。 ということで、今回は「正しいイスラム国家」とは何かを巡る争いの歴史です。 1. ムハンマドの社会改革 神の意志に従う生き方=イスラム的生き方 イスラム教の聖典「コーラン」では、人間は神に絶対的な服従を要求

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    otakky 2015/10/03