唐辛子は虫よけになるというイメージがあるかもしれません。まさかこんな辛いものは虫も食べないと思われるでしょう。ところが、ノシメマダラメイガは香辛料の害虫として問題になります。 七味唐辛子は、赤唐辛子、山椒、青海苔、黒ごま、ちんぴ(温州みかんの皮)、麻の実、けしの実の7種類の成分で構成されています。ノシメマダラメイガは、いったいどの成分を好むのでしょうか。私たちは、新鮮な7成分のそれぞれで、幼虫を飼育して成虫になれるか確かめる実験を試みました。 その結果、赤唐辛子、山椒、青海苔では成虫になれず、黒ごま、ちんぴ、麻の実、けしの実では少数ですが、成虫になることがわかりました。おそらく、幼虫は比較的栄養価が高い「種子」を食べて発育できるのです。ただし、発育には玄米と比べると約1.5から2倍の時間がかかりました。 この実験からわかるように、香辛料の強い香りや辛み成分には、幼虫に対する殺虫効果や忌避効