ケアの倫理と共感 作者:マイケル・スロート 勁草書房 Amazon この本は邦訳の発売直後、2021年の年末に当時もらった図書カードで購入済だったのだが積んでいたところ、先日の日本哲学会のワークショップに向けて、『もうひとつの声で』に続いて読んだ、という次第である。……ちなみに原著は10年ほど前、大学院生時代に指導教授と一緒にゼミで読んでいる。しかし例によって内容はさっぱり覚えていなかった。また、この本の内容はなかなか難しく、ゼミで読んだときにはわたしだけでなく指導教授もピンときていないというか微妙な反応をしていた記憶がある。 ケアの倫理ついて書かれた本といっても必ずしもいわゆる「規範倫理学」とか「倫理学理論」とかについて書かれているとは限らず、代表的なところでは『もうひとつの声で』はインタビューに基づく心理学の本であり、規範に関してはかなり曖昧なことしか書かれていなかった。 また、ネル・
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