長い2年4カ月だった。2023年11月、デジタル庁は当時、中央官庁や地方自治体が共通基盤でシステム運用する「ガバメントクラウド」の提供事業者としてさくらインターネットを認定した。これまでの4社はすべて外資系。さくらインターネットは国産初だった。 ただし、認定は25年度末までに305項目の要件を満たせば、という条件つきだった。それらの要件を一つひとつクリアして、26年3月にようやく正式に採択されたのだ。 創業者の田中邦裕は「質と量、両面で大変でした」と振り返る。 「官公庁向けのサービスは止まらないこと、止まったときにきちんと説明できる体制が求められます。これまでネット企業向けにサービスを提供してきた私たちが越えなくてはいけない質的なハードルは高かった」 経営者としてより悩ましかったのは量のほうだろう。 「期限があるので現場には3~5倍のスピードでやってもらわないといけない。このとき大事なのは

