ブックマーク / www.tachibana-akira.com (45)

  • 定年制廃止のために金銭解雇の合法化を 週刊プレイボーイ連載(344) – 橘玲 公式BLOG

    難産の末に「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」が成立しました。野党は「働かせ法案」「過労死法案」と批判していますが、「年収1075万円以上の専門職が対象」とされたためか、大半のひとが「自分には関係ない」と思い、反対運動はいまひとつ盛り上がりに欠けたようです。 しかし働き方改革はこれで終わりではなく、国民的な議論(大騒ぎ)を引き起こすことが確実な、さらに大きなイベントが待ちかまえています。それが「金銭解雇の合法化」です。 議論の前提として、日は世界にさきがけて超高齢社会に突入し、少子化による人口減で人手不足がますます深刻化している現状を確認しておきましょう。この大問題に対処しようとすると、「右」でも「左」でもどんな政権でも、「高齢者にいつまでも働いてもらえる社会」にする以外ありません。こうして安倍政権は「一億総活躍」を掲げ、公務員の定年の65歳への引き上げや、「70歳定年制」の導入が検

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    owngoaler 2018/07/17
  • 新刊『朝日ぎらい』のあとがきを公開します – 橘玲 公式BLOG

    6月13日発売の新刊『朝日ぎらい』の「あとがき」を、出版社の許可を得て掲載します。 ****************************************************************************************** お気づきの方も多いと思うが、『朝日ぎらい』のタイトルは井上章一さんのベストセラー『京都ぎらい』から拝借した。この“パロディ”を快諾していただいたばかりか、大いに面白がってくださった井上さんにまずは感謝したい。 書を最後までお読みいただいた方はおわかりだと思うが、私の政治的立場は「リベラル」だ。「普遍的人権」という近代の虚構を最大限尊重し、いわれなき差別のない自由な社会が理想だと思っている。 「リバタニア」のなかでは日では数少ない「リバタリアン部族」に属し、日は重層的な身分制社会だとして、その根幹にある日的雇用を批判してき

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    owngoaler 2018/06/15
  • 第76回 教育無償化、お金の配り方に注意(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    教育を無償化すればみんなが幸福になる」という通説の背後には、「教育は無条件によきもの」という信念がある。私はこれを疑わしいと思っているが、それは題ではない。 自由経済で格差が生じるのは当然と考えるひとも、「貧しさのために教育機会を得られないのは正義に反する」との意見には同意するだろう。一流大学に入学する学生のほとんどが裕福な家庭出身なのは、欧米でも日でも変わらない。貧しい家庭の所得を増やせば、教育を介して子どもはゆたかさを手にし、社会も好影響を受けるのだ。 だが、この主張はどこまで正しいのだろうか。 複雑な人種問題を抱えるアメリカでは、黒人貧困層に福祉の重点が置かれたため、白人保守派から「逆差別」との批判を受けることになった。これに反論するには、所得支援の効果を証拠(エビデンス)によって証明しなければならなない。 母子家庭の世帯所得を増やすには、行政からの生活保護、父親(別れた夫)か

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    owngoaler 2018/05/25
  • 女性記者はなぜ「タダで遊べるキャバ嬢」になるのか? 週刊プレイボーイ連載(336) – 橘玲 公式BLOG

    仕事場の近くの住宅街に、玄関脇に警察官の警備ボックスが設置された家があります。路上に黒のスーツ姿の若者が5、6人立っていて、黒塗りの車が家の前に停まると、一斉に走り寄って下りてきた人物を取り囲みます。自民党重鎮の東京の自宅で、憲法改正問題で強い影響力をもっているため、メディア業界で「夜討ち」と呼ばれる取材対象になっているようです。 夜の散歩の途中にこうした場面に何度か遭遇したことがありますが、政治家は記者たちに軽く手を振るとさっさと家に入ってしまいます。すると記者は、それ以上なにをするでもなく、スマホを取り出してなにごとか話しながら駅へと向かいます。「話すことはないよ」といわれ、それを社に報告しているのでしょう。 こんな「取材」になんの意味があるのかさっぱりわかりませんが、なにごとも横並びで、他社に「抜かれる」ことを最大の汚点とする日のメディアは、この奇妙な風習を一向にやめようとはしませ

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    owngoaler 2018/05/21
  • シリア内戦―過去の失敗に学ぶと子どもたちが死んでいく 週刊プレイボーイ連載(329)  – 橘玲 公式BLOG

    ひとは過去の失敗に学ぶことがあるのでしょうか? 5年ほど前に「シリア内戦―誰にも止められない殺し合い」という記事を書きました。宗教的少数派であるアサド政権は権力を失えば“皆殺し”にされることがわかっているので、神経ガスでもなんでも使って敵を“皆殺し”にするしかないという話で、実際、その後の展開は予想どおりになりました。 とはいえ、これは私に先見の明があったということではありません。中東に詳しい知人は、「専門家ならみんな知っていること」といっていました。 ところが不思議なことに、中東の専門家がたくさんいるはずのEUやヨーロッパ諸国は、「シリアを民主化する」という大義を掲げて自由シリア軍などに大量の武器を渡しました。これに対してロシアのプーチン大統領は、「権力の空白より独裁の方がはるかにマシだ」と警告しましたが、ヨーロッパの理想主義者たちはまったく耳を貸しませんでした。 その結果、混乱に乗じて

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    owngoaler 2018/03/26
  • 「働き方改革」の第二章は「解雇自由化」 週刊プレイボーイ連載(325) – 橘玲 公式BLOG

    「働き方改革」で政府は、同一労働同一賃金の実施を当初案から1年遅らせて、大企業は20年度、中小企業は21年度からにする方針とのことです。同じ仕事をしているのに待遇が異なるのは「身分差別」で、それを解消するのになぜ2年も3年も待たなくてはならないのかわかりませんが、「差別」の存在すら認めなかったことを思えば大きな前進です。それに対して、専門職に成果給を導入する「高度プロフェッショナル(高プロ)制度」は予定どおり19年4月からになりそうです。 ほとんど理解されていないようですが、これらの法律が厳密に適用されると「日的雇用」は根底から覆ります。 いまは「正社員への特別手当を非正規にも払え」というレベルの話ですが、すぐに「なぜ正社員は社宅に入居できて非正規は拒否されるのか」「親会社からの出向と子会社の社員で給与がちがうのは違法だ」という話になっていくでしょう。「一般職」を女性限定で募集するとか、

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    owngoaler 2018/02/26
  • 第72回 パラダイス文書、守秘はどこへ(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    鳴り物入りで報道が始まったパラダイス文書だが、エリザベス女王やロス米商務長官の名前が出たもののその後は失速気味だ。 日では鳩山元総理や有名マンガ家の関与が報じられたが、記事を読むと、名誉会長に就任した香港の上場企業がたまたまバミューダ籍だったとか、節税目的で不動産リースの投資事業組合に出資したところ、その組合がたまたまバミューダに設立されていた(おまけにその節税スキームは国税庁に否認され、出資者は追徴課税された)とかで、人がタックスヘイヴンを悪用して違法な税逃れをしたという事実はない。 こんなことになる理由のひとつは、パナマ文書とは異なり、文書が流出したのがバミューダを拠点とする法律事務所だったからだろう。カリブ海のバミューダ諸島はイギリスの海外領土だが、ニューヨークからは飛行機でわずか2時間の距離。通貨バミューダ・ドルは米ドルと等価で、経済を支えるのは米国からの観光客だ。実態はアメリ

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    owngoaler 2017/12/06
  • 左右の”コピー戦略”で自民党は消滅する? 週刊プレイボーイ連載(309) – 橘玲 公式BLOG

    *10月6日執筆10月16日発売号に掲載された記事を、選挙結果を受けて若干加筆しました。 1週間ほど海外にいたら、民進党(衆院)が希望の党に吸収され、「選別」から落ちた議員が立憲民主党を設立して、日政治の景色はすっかり変わってしまいました。国内は大騒ぎですが、CNNやBBCなど海外メディアではまったく報じられていませんでした。もはや日政治は、国際的なニュースにはならないのでしょう。 以前、このコラムで「自民党支配を終わらせるのは小池東京都知事の“保守vs保守”戦略」と書きましたが、その小池氏が希望の党を立ち上げたことで、民進党の前原党首は、選挙での確実な敗北か、希望の党に救済してもらうかの究極の選択に立たされました。いまは強い批判にさらされていますが、あのまま民進党で選挙に挑んでもなんの可能性もなかったのですから、これは合理的な判断でしょう。 小池都知事が都議会選で自民党を圧倒した

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    owngoaler 2017/10/23
  • 第71回 「内部留保で賃上げ」は誤り(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    企業の労働分配率が43.5%に低下し、1971年以来46年ぶりの低水準になったという。その一方で内部留保は増えつづけ、2016年末で375兆円と過去最高を更新した。これを見て、「企業は内部留保を取り崩して賃上げすべきだ」と怒るひとがいまだにいる。 紙の読者には釈迦に説法だろうが、この理屈はものすごくおかしい。 株式会社は1年間の企業活動を決算し、利益に対して税金を払って、残った純利益を株主に分配する。このやり方には2つあって、ひとつは現金を配当することで、もうひとつは「株主資」に組み込むことだ。 こうして会社内に留められた純利益が「内部留保」だが、それは来株主のものだ。しかし日の経営者のなかには、純利益の半分を株主に配当すれば、残りの半分は会社にもの、すなわち「自分のもの」と思っているひとがものすごく多い。 株式会社の原則からいえば、純利益は全額、(会社の所有者である)株主に配

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    owngoaler 2017/10/18
  • 教育無償化の”不都合な真実” 週刊プレイボーイ連載(308) – 橘玲 公式BLOG

    「人づくり革命」を打ち出した安倍首相は、消費税の増税分を教育無償化や社会保障制度の充実にあてるとして解散・総選挙に踏み切りました。「コンクリートから人へ」を掲げて高校無償化を実現したのは民主党政権で、「保守・伝統主義」であるはずの安倍政権はますますリベラル化して、もはやかつての民主党と区別がつかなくなっています。 ところで「教育無償化」は、アメリカ経済学者でノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンの研究を根拠にしているとされます。 1960年代に、3歳から4歳の子どもたちに就学前教育を行ない、その結果を40年にわたって追跡するという大規模な実験が行なわれました。ヘックマンはこの実験を詳細に検討し、教育支援を受けたグループは、高校卒業率や持ち家率、平均所得が高く、婚外子をもつ比率や生活保護受給率、逮捕者率が低いことを明らかにしました。社会全体の投資収益率は15~17%で、100万円

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    owngoaler 2017/10/16
  • 第70回 果てしなき意見調整の難しさ(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    意見のちがうひと同士が折り合うのはむずかしい。「エスカレーターにどう乗るのが正しいか」という、ささいなことでもこれは同じだ。 かつては、エスカレーターは立って乗るもので、急ぐひとは階段を使うのがふつうだった。それが変わったのは(たぶん)1980年代半ばで、山手線の駅のエスカレーターで、外国人の男性に英語で熱心に話しかけている女性に向かって、「おばさん、みんな迷惑してるんだよ!」と怒鳴る男がいて、ものすごくびっくりしたのを覚えている。 このあたりから急速に、東京はエスカレーターの左に立って右側を空け、大阪は右に立って左側を空けるのが常識になった。 じつはこれは日だけのことではなく、中東のイスラームの国でも、ロシアのような旧共産圏でも(あるいは、だからこそ)エスカレーターの片側を空けるのが当然になっている。そのため海外に行くと、真っ先に「右立ち」か「左立ち」かを確認する癖がついてしまった。

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    owngoaler 2017/09/13
  • 小池都知事の「保守」VS「保守」戦略は自民党支配を終わらせるか? 週刊プレイボーイ連載(302) – 橘玲 公式BLOG

    小池百合子東京都知事の側近が「日ファーストの会」を立ち上げました。党名についてはトランプの「アメリカ・ファースト」とかんぜんにかぶるため批判もあるようですが、そもそも「都民ファースト」が共和党の大統領予備選で躍進するトランプの選挙スローガンから取られたのですから規定の路線ともいえます。 当初は「国民ファースト」を考えていたものの、同名の政治団体がすでに存在することで混乱を回避したともいわれています。しかし「国民ファースト」はフランスで“極右”とされるFN(国民戦線)のスローガンで、移民排斥のイメージとつよく結びついていますから、どっちもどっちでしょう。 自民党を離党して都知事となり、自らの新党を立ち上げた小池氏が、橋下徹前大阪市長の政治手法を徹底的に研究していることは明らかです。その橋下氏は、大阪で圧倒的な支持を得ていたものの、国政進出にあたって石原慎太郎氏の太陽の党と合流し、共同代表制

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    owngoaler 2017/08/28
  • 日本社会を「破壊」し腐らせていくひとたち 週刊プレイボーイ連載(301) – 橘玲 公式BLOG

    年収の高い専門職を対象に、労働時間ではなく成果に基づいて賃金を払う「高度プロフェッショナル制度」をめぐって連合が大混乱に陥っています。政府が労働基準法改正案を国会に提出することを見込んで、残業時間の上限規制を条件に容認に転じたところ、これまで「残業代ゼロ法案」のレッテルを貼って反対してきた傘下の組合が猛反発して合意を撤回したのです。 とはいえ、これは連合の神津会長が安倍総理と直接交渉して決めたことですから、「あの話はなかったことにしてください」ですむわけがありません。日の労働運動が大きな岐路に立たされたことは間違いないでしょう。 この出来事で興味深いのは、法案に反対するひとたちが、なぜ連合が「残業代ゼロ」を容認したのか理解できず思考停止状態に陥っていることです。彼らは「急に梯子をはずすのは裏切りだ」と怒り狂いますが、なぜ梯子をはずされたのかを考えようとしません。その理由はものすごくかんた

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    owngoaler 2017/08/14
  • 「差別とは無関係」といいながら差別するひとたち 週刊プレイボーイ連載(300)  – 橘玲 公式BLOG

    民進党の蓮舫代表(7月27日に辞任を表明)が「二重国籍でないことを証明する」ため、戸籍の写しなどを公表したことが波紋を広げています。この問題についてはネットを中心に膨大な議論がありますが、話がややこしくなるのは、「国会議員が二重国籍なのは違法だ」と思っているひとが(ものすごく)たくさんいることです。すでに指摘されているように、公職選挙法では国会議員が日国籍であることを定めているだけで、二重国籍を排除する規定はありません。 2007年の参院選挙では、国民新党がアルベルト・フジモリ元ペルー大統領を比例代表候補として擁立していますが、フジモリ氏が日とペルーの二重国籍であることはまったく問題にされませんでした。蓮舫代表のケースでは、国籍についての過去の発言に矛盾があることは確かですが、司法の判断の前に経歴詐称と決めつけ、有権者によって選ばれた議員の資格を一方的に否認するのは民主国家としては明ら

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    owngoaler 2017/08/07
  • 第69回 「サラリーマン」が死語になる(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    *この記事は「日経ヴェリタス」7月23日号に掲載されました。7月27日に連合は高度プロフェッショナル制度への「条件付容認」を撤回しましたが論旨に変更はありません。 「残業代ゼロ法案」のレッテルを貼られてバッシングされてきた「脱時間給」制度(高度プロフェッショナル制度)が、実現に向けて動き出した。休日の確保などを求める連合の提案を政府が受け入れたのだという。 この制度では、労働時間ではなく成果に基づいて賃金が払われる。対象は年収1075万円以上の「特定高度専門業務」で、金融機関のディーラーやコンサルタント、研究開発部門の研究者などとされている。仮に法案が成立したとしても、適用対象になるのはごく一部だ。 しかしこの法案は、日人の働き方を根底から変える可能性がある。ほとんど指摘されないが、それは法の趣旨が「サラリーマンはもう存在できません」ということだからだ。 だとしたら、会社で働くのはいった

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    owngoaler 2017/08/02
  • 日本の「リベラル」より、安倍政権の方がリベラル? 週刊プレイボーイ連載(289)  – 橘玲 公式BLOG

    安倍首相は5月3日の憲法記念日に、読売新聞のインタビューと憲法改正を推進する民間団体へのビデオメッセージで、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」として、憲法9条と高等教育無償化を具体的な検討項目に挙げました。これまで「9条に手をつけられるはずがない」とたかをくくって「お試し改憲」を批判していたひとたちは、腰を抜かんさんばかりに驚愕したのではないでしょうか。 安倍首相はメッセージで「多くの憲法法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が今なお存在する」として、「『自衛隊は違憲かもしれないけれども、何かあれば、命を張って守ってくれ』というのは、あまりに無責任だ」と述べました。 無責任と名指しされた“リベラル”な学者や共産党は、この批判に責任をもってこたえなくてはなりません。とはいえ、これまでの主張を見るかぎりこれはなかなか大変です。 共産党委員長は「自衛隊は憲法違反だと思うが、国

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    owngoaler 2017/05/22
  • 北朝鮮問題のもっと怖い話 週刊プレイボーイ連載(287)  – 橘玲 公式BLOG

    事態が急速に動いているのでこの原稿が掲載される頃にはどうなっているかわかりませんが、風雲急を告げている北朝鮮情勢についてすこし別の角度から推理してみます。 2月13日、金正日の長男で金正恩の異母兄である金正男が北朝鮮の秘密工作員の手によってマレーシアの空港で暗殺されました。その前日、北朝鮮は新型中距離弾道ミサイルの発射実験を行なっています。 4月6日夜、トランプ米大統領と習近平国家主席の米中首脳会談の最中に、化学兵器の使用を理由に米軍がシリア・アサド政権の空軍基地を巡航ミサイルで攻撃します。その前日には、北朝鮮が日海に弾道ミサイルを発射しています。 そしてトランプ大統領は、「あらゆる選択肢を排除しない」として、朝鮮半島周辺に向けて原子力空母カール・ビンソンの派遣を命じました。北朝鮮が核実験を強行するなら先制攻撃も辞さないと、後ろ盾である中国に強い圧力をかけているとされています。 この間明

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    owngoaler 2017/05/02
  • 「ヘンなひと」を黙らせるエポックメイキングな事件 週刊プレイボーイ連載(280) – 橘玲 公式BLOG

    歴史にはエポックメイキングな事件というものがあります。 日経済の変調が明らかになった1990年代はもちろん、2000年代になっても、年功序列・終身雇用の日的雇用制度が日人(男性サラリーマンだけですが)を幸福にしているとして、成果報酬などグローバルスタンダードの働き方を導入しようとするたびに「雇用破壊」と大騒ぎするひとたちがたくさんいました。じつはさまざまな国際調査で、日人は会社に対する信頼度がもっとも低く、サラリーマンは会社を憎んでいるということが明らかになっていますが、こうした不都合な事実もすべて無視されてきました。 ところが2007年の世界金融危機後、「正社員になれなければ人生は終わり」というメディアのプロパガンダを利用してブラック企業が台頭し、サービス残業によって若者を最低賃金以下の給与で酷使するようになると、ようやく風向きが変わりはじめました。そして決定的なのは、大手広告代

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    owngoaler 2017/03/13
  • 第65回 医療費増の先に安楽死法制化?(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    月刊『文藝春秋』2016年12月号に掲載された「私は安楽死で逝きたい」で、脚家の橋田寿賀子さんは、認知症の兆しがあればスイスで最期を迎えたいと語る。欧米ではオランダ、ベルギー、ルクセンブルクなどで安楽死が合法化されているが、いずれも自国民にしか認めていない。それに対してスイスでは、外国人でも不治の病の末期であれば自殺幇助団体に登録できる。費用は7000ドル(約80万円)で、現在は60カ国5500人が登録しているという。――ただし、認知症の初期症状では安楽死は認められないだろう。 2014年1月8日のAFPは、「ベルギー最高齢アスリートが安楽死、シャンパンで乾杯して旅立つ」との記事を掲載した。高齢者欧州選手権などで優勝したエミール・パウウェルスさん(95)は、末期の胃がんのため安楽死を希望し、「友人全員に囲まれて、シャンパンと共に逝くのが嫌だなんて人がいるかい?」と述べた。 ひるがえって、

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    owngoaler 2017/02/15
  • トランプ大統領を子どもの疑問で考えてみる 週刊プレイボーイ連載(276) – 橘玲 公式BLOG

    科学の世界では、「子どもの疑問」を使って正しい知識を持っているかが判別できます。ちょっとやってみましょう。 宇宙はなぜ暗いの? 真空で、光を反射するチリなどがないから 宇宙はなぜ真空なの? 空気を引き止めておく引力がないから だったら、地球にはなぜ引力があるの? それは…… たいていのひとはこのあたりで言葉に詰まるでしょうが、専門家なら引力と質量の関係をわかりやすく説明できるはずです。 ところで、子どもが疑問を持つのは宇宙の神秘だけではありません。トランプ大統領就任などは、山のような疑問で押しつぶされそうになっているでしょう。そこでここでは、「なんであんなヘンなオジサンが大統領になったの?」という定番のものは脇に置いて、こたえてほしい「子どもの疑問」をいくつかあげてみましょう。 疑問1 「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)はアメリカに一方的に有利で、日にはなにひとついいことがない」とい

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    owngoaler 2017/02/13