先の国連総会での珍しい興奮の後には、腹立たしいほどの不確実性が残った。イランのハサン・ロウハニ大統領による米国への提案は、世界の世論を再形成する方法を見事に披露した。 ロウハニ大統領の巧みな外交は、イラン政府と西側諸国の苦々しい関係に重大な変化が訪れる前兆となるかもしれない。その一方で、大統領の心地よい言葉は、敵国に武装を解かせるためのフェイントである可能性もある。 これに対して取るべき対応は、関与し、試すことだ。米国、イラン両国の大統領が握手しなかったのは残念だが、バラク・オバマ大統領が示した反応――現実主義の抑えが利いた熱意――は適切だった。 オバマ大統領は国選総会で、自身の1期目のアジアへのピボット(旋回)は、2期目に入り中東への再ピボットに転じたと言っているようだった。中東地域で燃えさかるいくつもの火の手を考えると、選択肢はあまりなかった。 オバマ大統領が、イランとの関係のリセット