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経済とドイツに関するoyoyomのブックマーク (41)

  • ドイツ経済:止まりかけたエンジン:JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2014年11月22日号) ドイツ経済は、欧州を危機から引っ張り上げられないほど弱くなっているのだろうか? 「世界には欧州の失われた10年を受け入れる余裕はない」とジェイコブ・ルー米財務長官は言う。最新の欧州の統計は、冴えない内容だった。第3四半期にユーロ圏は年率換算で0.6%しか成長しなかった。 この停滞は一義的に、危機によって最も大きな打撃を受けた国々のせいではない。ギリシャ経済はどのユーロ圏諸国よりも速く成長しており、スペインとアイルランドは回復を遂げている。 疲弊した中核国、メルケル首相に批判の声 むしろ、疲弊しているのは中核国だ。そして、欧州最大の経済国であるドイツ以上に疲弊している国はほとんどない。ドイツ経済は第2四半期に0.1%縮小した後、第3四半期に0.1%しか成長しなかった。 ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、次第に高まる外国からの批判にさらされている

    ドイツ経済:止まりかけたエンジン:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • ドイツのパラレルワールドの奇怪な経済学 ケインズが何だ? ユーロ圏に全くそぐわない「オルド自由主義」:JBpress(日本ビジネスプレス)

    ドイツ経済学者とエコノミストは、大雑把に2つのグループに分けられる。ケインズを読んだことがない人たちと、ケインズを理解していない人たちだ。 ドイツの経済的主流派を保守派と表現することは、的外れだ。確かにドイツの主流派には、米国その他諸国の新古典主義、または新保守主義の学派と重なるところがある。 だが、ドイツの主流派と米国のティーパーティー運動との比較がどれほど説得力があるように見えたとしても、検証には耐え得ない。ドイツの正統派の経済学は、中道左派と中道右派にまたがっている。多少なりともケインズ主義の知識を持つ唯一の政党は旧共産党だけだ。 投資不足や過剰な経常黒字を全く批判しない経済諮問委員会 正統派の教義を示す好例が、政府に助言する公的機関「ドイツ経済諮問委員会」が先週発表した年次報告書である。委員会は、投資不足や過剰な経常黒字、過度に熱心な財政規律を批判しなかった。その代わり、最低賃金

    ドイツのパラレルワールドの奇怪な経済学 ケインズが何だ? ユーロ圏に全くそぐわない「オルド自由主義」:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • ドイツ経済:行く手に垂れ込める暗雲:JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2014年6月7日号) 最近のドイツの力強さは、欧州一の経済大国に内在する脆さを覆い隠している。 何カ月も決断を先送りした末に、欧州中央銀行(ECB)は6月5日、ユーロ圏で現在わずか0.5%という低インフレと戦うために、いくつかの面で行動に出た。ECBは主要政策金利を、既に低い0.25%から0.15%に引き下げた。 より重視すべきことは、市中銀行から預かる資金に支払う預金金利をゼロからマイナス0.1%に引き下げることで――実質的に銀行に手数料を課すことになる――、主要な中央銀行として初めてマイナス金利の採用に踏み切ったことだ。 さらに、ECBはなかなか融資を得られないユーロ圏周縁国の企業を支援するため、融資を通してそうした企業を支える銀行に低利で長期資金を供給する新たな政策を発表した。ドイツへの依存度が少ない、より幅広い景気回復を促すためには、そうした刺激策が不可欠とな

    ドイツ経済:行く手に垂れ込める暗雲:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • 後退するドイツの改革:JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2014年4月26日号) アンゲラ・メルケル氏は近隣諸国に成長志向の改革を説いているが、自国では成長を抑制する政策を実施している。 アンゲラ・メルケル首相には、問題を抱えたユーロ圏諸国に捧げるお気に入りの持論がある。ドイツを真似ればいい、というものだ。昨年の秋には「我々がやったことは、誰にでもできる」と述べた。 首相の分析に従えば、今から15年前、ドイツは欧州の病人として広く認識されていたが、その後、財政緊縮に踏み切り、人件費を削減、構造改革を受け入れ、ドイツを力強い経済大国に変えた、というわけだ。 ドイツとユーロ圏南部の国々との格差は確かに大きい。ドイツ経済は、南欧の大半の国より速いスピードで成長を遂げている。ドイツの若年失業率が20年ぶりの低水準で推移しているのに対し、スペインとギリシャのそれは依然として記録的な高さだ。また、フランス、イタリア、スペインがブリュッセ

    後退するドイツの改革:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • ドイツ連立樹立:大停滞の到来か:JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2013年11月30日号) 連立合意で提案されているドイツ新政府は、欧州のエンジンを低速に入れようとしている。 ドイツで再び大連立が誕生する見通しとなった(写真は連立樹立合意についての記者会見を行ったアンゲラ・メルケル首相=中央=と社会民主党=SPD=のジグマル・ガブリエル党首=左)〔AFPBB News〕 端から見ると、ドイツは恐ろしいマシンに見える。極めて効率の高いドイツ経済はユーロ危機を切り抜けただけでなく、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドといった国々の崩壊を防いだ緊急修復費用の大半を負担した。 ドイツの輸出品は世界中の市場を席巻している。アンゲラ・メルケル首相は、誰もが認める欧州連合(EU)のリーダーとして君臨している。 しかし、奇妙なことに、ドイツ国民自身はそのようには見ていない。多くの国民がドイツは格差と蔓延する冷たい資主義に脅されていると考え、不安感と

    ドイツ連立樹立:大停滞の到来か:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • メルケル首相は誤解されている欧州のビジョナリーだ

    (2013年9月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ドイツ総選挙で保守与党が大勝し、メルケル首相は歴史的な3選を決めた〔AFPBB News〕 ドイツのアンゲラ・メルケル首相の政治における成功を分析する評論家たちは使い古された見方に頼りがちだ。 首相は慎重な現実主義者だとか、試行錯誤しながら歩みを進める科学者だとか、人を安心させる母親のような存在だとか、有権者と直感的に意思疎通できる天性の政治家だといった具合だ。 いずれも正しい指摘である。しかし、とても重要な点が1つ抜け落ちている。政治家としてのメルケル氏はビジョナリーでもあるという点だ。ぞっとするような場面も時折あったあの通貨危機の真っただ中にありながら、メルケル氏はドイツと欧州連合(EU)との関係を今よりも持続可能な新しい観点から定義し直したのである。 政治家のメルケル氏がビジョナリーだと認識されていないのは、その政治スタイルが

  • ドイツ経済は欧州最強だが、強さは全く不十分 ユーロ圏の存続と繁栄を保証するドイツの経済的成功

    (2013年8月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ドイツには世界中から提言が寄せられる(写真はベルリンの風景)〔AFPBB News〕 欧州経済危機に際してドイツはどう行動すべきかという助言を1つ受け取るごとに1ユーロを徴収する――。そんなシステムをドイツ政府がもし採用したら、ドイツの経常黒字は今以上に拡大することだろう。 ベルリンには世界各地からいろいろな提言が寄せられている。 ユーロ共通債を発行せよ、ギリシャの債務を免除せよ、地中海版マーシャルプランを創設せよ、銀行同盟を立ち上げよ、国内の賃金上昇を容認せよ、財政均衡についてぐだぐだ語るのをやめて財政出動で景気を刺激せよ、といった具合だ。 筋のよいものもあればそうでないものもあるが、どの提言も大事なことを1つ見落としている。ドイツが自身の経済を改革・近代化すれば、それ自体が同国による最も有用な貢献の1つになるという点である。 向

  • 中国の景気減速でドイツに大打撃

    (2013年7月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ユーロ圏の危機の最中、ドイツは安定した岩のような存在だったが、今、中国の景気減速に大きく揺さぶられている。 6月19日以降、ドイツ株は欧州平均よりずっと大きく下げてきた。6月19日というのは、米連邦準備理事会(FRB)が資産購入を縮小したいとの考えを表明した日だが、中国の資金不足が一気に世界的な関心を集め、中国政府がいかに経済のブレーキを踏んでいるのかを巡る不安が高まったタイミングでもある。 ドイツ株売りの背景にダブルパンチの懸念 7月9日には、さらに悪い知らせが舞い込んだ。国際通貨基金(IMF)が今年と来年の中国の成長率予想を下方修正したのだ。ドイツ銀行の試算によれば、2012年1~3月期と比べた今年1~3月期のドイツの対中輸出の落ち込みは、既にドイツの国内総生産(GDP)の0.5%に相当しているという。 ドイツ企業の対中輸出は、

  • 欧州の大手機関投資家、今こそ南欧が「買い」

    (2013年7月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) イタリアの保険大手ゼネラリの最高投資責任者(CIO)が、ドイツの株価指数DAXを「新興国」になぞらえ、今こそ欧州最大の経済大国ドイツの株を売り、南欧を買う時だと話している。 保険料収入で欧州第3位の保険大手ゼネラリで5000億ユーロ近い投資を監督するニキル・スリニヴァサン氏は、現在どこに価値を見いだせるか問われると、明快に答える。「DAXはかなりの高騰を演じてきたため、今では南欧やフランスの株式市場と比べて有望に見えない」 アジア向け輸出の依存度が高いDAXは「新興国」 DAX構成銘柄にはアジア向けの輸出に依存する企業が多いため、「DAXは新興国(の株価指数)のように感じる。もうピークを越えたと思う。私が手がけるのは、ドイツ売り、南欧買いだ」と言う。 45歳のスリニヴァサン氏が最近CIOに任命されたことは、最高経営責任者(CEO)に就

  • 韓国、「G8は円安の影響に対抗措置を」

    (2013年6月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 韓国は特に円安の影響を大きく受けている〔AFPBB News〕 円安の波及効果に対する懸念が高まる中、韓国が、主要8カ国(G8)諸国の首脳は今月開催されるサミット(首脳会議)で、日の金融緩和策によって生じた「意図せぬ」結果に対しさらなる措置を講じる必要があると警告した。 韓国の玄旿錫(ヒョン・オソク)経済副首相兼企画財政相は紙(英フィナンシャル・タイムズ)とのインタビューで、アベノミクスが為替市場にもたらした影響を軽減するために協調的な国際行動が必要だと述べた。 玄氏によると、円安韓国の輸出産業に痛手を負わせ始めており、世界経済に不測の波及効果を及ぼしているという。「問題は、こうした金融政策がかなりの悪影響を及ぼしていることだ」と玄氏は紙に語った。 アベノミクスの「予期せぬ副作用」、ドイツも懸念を共有 さらに、G8は北アイルラ

  • 欧州の将来はドイツ風ではなく日本風 「失われた20年」の再現か

    (2013年5月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ユーロ圏の将来はドイツというより日の姿と似る?〔AFPBB News〕 ユーロ圏危機を解決するのは簡単だ――。筆者は先週、あるエコノミストがあの複雑でややこしい話を典型的な「上がったものは必ず下がる」式の議論で説明するのを聞き、改めてそう思った。 ドイツは2000年代、賃金を抑制することでユーロ圏に対する相対的な競争力を高めた。しかし今日、ドイツの賃金水準はスペインやイタリアを若干上回るペースで上昇している。 競争力を何で測るのかという好みと、どれぐらいの規模の調整が必要なのかという見立ては人によって異なるが、それが決まれば、競争力の逆転に何年かかるかを計算することは可能だ。 緊縮財政はこの調整の推進力になっている。緊縮財政のために輸入が減少し、経常収支は赤字から黒字に転じている。デフレが進めばその国の輸出競争力は高まるとの見方が

  • ドイツモデルは輸出できない

    (2013年5月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ドイツは自国のイメージに合わせて欧州経済を作り変えている。欧州最大の経済大国、支配的な債権国としての立場を利用し、ユーロ圏諸国を自国の小さなレプリカに変え、ユーロ圏全体を大きなレプリカに変えようとしている。この戦略は失敗する。 「ベルリンコンセンサス」は安定志向の政策を支持している。金融政策は中期的な物価の安定を目指すべきであり、財政政策は均衡予算と低い公的債務水準を目指すべきである。ケインズ的なマクロ経済安定化政策を思わせるものは一切容認してはならない――。これは破滅への道だ。 2000年代にドイツが歩んだ調整への道 ドイツは自国のイメージに合わせ、欧州経済を作り変えようとしているが・・・〔AFPBB News〕 このアプローチをうまく機能させるために、ドイツは対外収支の変化を利用して経済を安定させた。内需が弱い時には対外黒字を拡大

  • ドイツを変えようとしても無駄な理由

    (2013年4月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 皆さんもお決まりの主張はご存じだろう。ドイツは拡張的な政策を取るべきである。米国は財政赤字を減らすために、もっと大規模な対策を講じる必要がある。中国は内需を拡大し、輸入を増やすべきだ。インドなどの新興国は外国資を喜んで受け入れなければならない。英国政府は緊縮に対する熱意を抑える必要がある――。 経済リポートを手に取れば、まず間違いなく、上記のような提言を目にするはずだ。権威ある組織の国際的な共同声明や発表にも、やはり同じ提言が見つかるだろう。問題は、こうした提言が実現しないことだ。 それ以上に悪いことに、デフレと景気収縮を招くような助言が苦境に立たされた国に押し付けられることもある。その一例が、欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)のいわゆる「トロイカ」の犠牲となった脆弱なユーロ圏諸国だ。 これらの組織の助言を強

  • EU 何をやっても責められるドイツの嘆き

    (2013年4月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ドイツが中心となってまとめた救済策の厳しい条件に抗議するキプロス市民〔AFPBB News〕 ドイツでは、お決まりのナチスの風刺がまた戻ってきたという、うんざりした諦めムードが漂っている。今度はキプロスの街頭で、だ。 ドイツのアンゲラ・メルケル首相の顔にはヒトラーのヒゲが描かれた。もっとも、その顔はどちらかと言えばチャーリー・チャップリンのように見えるが・・・。 ヴォルフガング・ショイブレ財務相はどことなく威嚇するように拳銃を振り回している。ドイツの独裁を非難するポスターにはナチスの鉤十字が描かれている。国民の怒りがこれほどリアルでなければ、どれもかなり滑稽だ。 ドイツは「合理的で責任ある政策」を追求しているだけなのに・・・ ドイツの首都にも、多少の苛立ちがある。メルケル内閣きっての熱心な欧州統合派を自認するショイブレ氏は「我々は悪者

  • 早期の財政均衡を図るドイツの予算に賛否両論

    (2013年3月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 他のユーロ圏諸国に慎重な財政の手を示す優れた導き手なのか、それとも回復を促すことを断固拒む身勝手なただ乗り行為なのか? 来年の純借入額を40年ぶりの低水準まで削減して財政を均衡させるというドイツの決定は、他のユーロ圏諸国とは好対照だ。ユーロ圏諸国の大半は――危機に見舞われたスペインから徐々に衰退するフランス、さらにはオランダに至るまで――、赤字削減目標を達成できないか、達成するのに四苦八苦するという状態にある。 「景気刺激は超低金利で十分、債務ブレーキは絶対必要」 ドイツが「債務ブレーキ」と呼ぶものをこれほど急激に踏むという選択は、ドイツ自身にとって、あるいは他国にとって経済的に意味があるのかどうかという問題が意見を二分している。 ドイツの失業率はスペインの5分の1の低さで、欧州中央銀行(ECB)の過去最低の金利のおかげで企業は簡

  • 社説:「機関車」ドイツ経済に急ブレーキ

    (2013年1月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ドイツはユーロ圏の危機を通して、機関車のように勢いよく前進してきた。しかし、2012年10~12月期の大幅な経済縮小は、ドイツが低成長期に入った可能性があることを示している。昨年は国内総生産(GDP)が0.7%拡大した。この数字は多くの欧州諸国を上回るものの、2011年にドイツが達成した3%成長を大きく下回っている。 確かに、世界経済の減速にもかかわらず、ドイツの純輸出は好調さを維持した。また、民間投資は昨年10~12月期に大幅に減少したが、景況感の調査は投資家が楽観的な見方を崩していないことを示している。だが、2013年の見通しは全面的に引き下げられた。ドイツ政府は今年、経済が0.5%拡大すると予想している。わずか数カ月前の予想の半分の水準だ。 ドイツの財政状態は、財政刺激策に踏み切れるくらい強固だ。公的部門は全体として資金余剰(

  • ドイツが牽引する欧州株の復活

    (2012年12月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ドイツ株はほぼ5年ぶりの高値をつけている(写真はフランクフルト証券取引所)〔AFPBB News〕 ドイツの代表的な株価指数DAXは6日、5年ぶりの高値に迫る水準で取引を終えた。暮れが迫る中、今年は欧州株が経済危機の最悪期以来初めて、世界の株式市場や米国株を上回っている。 欧州株の復活は、欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁がユーロ圏の一体性を守ると宣言したことを受け、投資家がいかにユーロ圏解体のリスクを再評価したかを物語っている。 各地の代表的な株価指数によると、欧州株は足元の四半期に4%近く上昇する一方、米国株は2%下落している。年初からこれまでの推移を見ると、欧州は米国をゆっくり追い越し、MSCI指数で測った総利回りが15%を超え、14%足らずの米国を凌いでいる。 6日にフランクフルトで開催された政策決定会合の後、ECB

  • ドイツ経済:欧州の弱ったエンジン

    (英エコノミスト誌 2012年8月18日号) ユーロ圏が再び景気後退局面に陥る中、ドイツ経済も減速している。 期待が持てた5月と6月の後、シュテフェン・クノープ氏の会社の売り上げは30%も落ち込んだ。ハンブルクに拠点を置くクノープ氏の小さな会社ヴァスクートは、車の製造用機械などの大型機械に使う冷却オイルや洗浄オイルを販売している。 「経済状況が非常によく分かる仕事だ」と、クヌープ氏は言う。この落ち込みは、人々が特に長い夏期休暇を取っているせいか、あるいはもっと深刻な何かのせいなのかと、クヌープ氏は疑問に思っている。経済状況をもっと幅広く長期的な視点から眺めている人々も、同じ疑問を抱いている。 警戒すべき兆候 ユーロ圏の大部分の景気が後退している今、ドイツが欧州経済の牽引する機関車として走り続けることに望みが託されている(図参照)。欧州最大の経済国ドイツが成長を続ける限り、徐々に他の国々を泥

  • ドイツ経済:「すべてに勝るドイツモデル」

    (英エコノミスト誌 2012年4月14日号) 世界中の国々がドイツから学ぶべきことと学ぶべきでないこと。 大半の先進国はドイツに魅了されている。硬化症に苦しむ欧州の真ん中にいながら、ドイツの1人当たり国内総生産(GDP)はこの10年間で先進7カ国(G7)のどの国よりも拡大した。 問題を抱えるユーロ圏の失業率が、単一通貨の誕生以来、最も高くなっている一方、ドイツでは、失業率が過去最低を記録している。 また、大半の先進国では、製造業の輸出が外国との競争で大打撃を受けているが、ドイツでは輸出産業が今も強力な成長の原動力となっている。フランスやスペイン、イタリア、英国の追い詰められた政治指導者たちが物憂げに、もっとドイツのようになりたいと話しているのも無理はない。 ドイツの成功の秘訣 最近のドイツの成功には、新しい原因と古い原因がある。わずか10年前、まだ東西統一のコストに苦しんでいた頃、ドイツ

  • 経済成長を引っ張るドイツの消費者

    (2012年3月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ドイツの失業者は3月にさらに減少し、3年近い失業者総数の減少傾向が続いた。ドイツ経済はこれで決定的に国内主導の成長にシフトし、危機に見舞われた南欧諸国に有益な効果をもたらしている。 「雇用創出の絶頂期は過ぎ去ったが、今後も雇用者数が堅調に増加する可能性が高い」とウニクレディトのエコノミスト、アンドレアス・リース氏(ミュンヘン在勤)は言う。 経済成長が冬場に弱含んだにもかかわらず、雇用市場が底堅いことは、ドイツの経済的な運命が、特に若者の間で失業率が急上昇しているスペインなどの脆弱なユーロ圏諸国と乖離しつつあることを浮き彫りにしている。 失業率は1990年以来最低に ドイツの失業者数は3月に1万8000人減って284万人となった。率にすると労働人口の6.7%で、公式統計によると、1990年の東西再統一以来、最低水準を記録した。 ドイツ