これを「アジアの春」と呼ぶといい。中国とベトナムは南シナ海で危険な対立状態に入っている。中国の船はフィリピンの船に日常的に嫌がらせを行っており、フィリピン政府は中国政府を国際司法機関に提訴している。 タイでは、「ソフトクーデター」が行われているとの見方もある中で陸軍が戒厳令を敷いた。さらに、これに負けてはならじと北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は核実験の実施をほのめかしている。 尖閣諸島がニュースにならなくなるほど複雑化する安保環境 東シナ海に浮かぶ尖閣諸島――日本が支配しているが、中国はこれを釣魚島と呼んで領有権を主張している――がニュースで取り上げられなくなったという事実は、アジアの安全保障環境がいかに複雑なものになったかを示している。中国の艦船やジェット機が日本側の決意を試していたあの島々は、2013年の大半の期間において、この地域で最も火の付きやすい場所だと見なされていた