(英エコノミスト誌 2013年7月13日号) 欧州の金融システムはひどい状態にあるが、この問題について意味ある対策は取られていない。 ECBの対策のおかげで、債券市場はひとまず落ち着いたが・・・〔AFPBB News〕 「近年実行された金融政策の中では恐らく最も成功した措置だろう」。これは「アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)」――苦戦するユーロ圏諸国の国債を買い取るという欧州中央銀行(ECB)が昨年夏に行った約束――に関するマリオ・ドラギ総裁の控えめな判断だ。 総裁は、債券市場に落ち着きをもたらしたという点で称賛に値する。だが実際には、状況はまだひどく、欧州の銀行がこの問題の中心にいる。 ユーロ圏の経済は、6四半期連続で縮小している。国際通貨基金(IMF)は先日、2013年の経済見通しを再度下方修正した。今回は、ユーロ圏が今年0.6%縮小すると予想している(ユーロ圏の見通