○中南米で最大市場のブラジルと、第二位のメキシコは、いずれもアメリカ・モビルとテレフォニカの競合を軸としながらも、前者は「アメリカ型」拮抗状態、後者は「日本型」独占的状態という異なる競合環境にある。 ○両者ともに、これまでは携帯音声サービスを提供してさえいればどんどん成長できていたフェーズがそろそろ終わりに近づき、固定と携帯の統合を中心として次の時代への模索を開始している。 1. ブラジルの携帯電話市場 ブラジルは中南米最大の携帯電話市場であり、中南米全体の加入者の3分の1を占める。世界で見ても、中国・インド・米国・ロシアに次ぐ第5位の規模である。(世界編第一回参照)後述するメキシコと合わせると、両国で中南米の半分となる。2007年12月に3G周波数免許がオークションで割り当てられ、2008年に各社で3Gサービスの展開が始まっている。 ブラジルは、突出したシェアを持つキャリアがなく、主要4