ここ数年、大規模な太陽光発電所においても、初期投資と売電ロスを減らせるという期待から、分散型のパワーコンディショナー(PCS)の採用が増えている(図1)。 初期投資の低減では、従来の集中型に比べてPCSの購入費用が安いことに加え、設置時の施工費を削減できると言われる。施工費の削減は、架台の後ろに固定できるため、集中型のようにコンクリートの大きな基礎が不要なことによるが、分散型PCSの方がケーブルの敷設コストが増えやすいことを考慮すれば、それほど差がないとの声もある。 売電ロスが減る利点も、場合によるので一概にはいえない。何らかの原因でPCSが稼働を停止した時に、集中型よりも送電が止まる太陽光パネルの枚数が少ない点や、敷地内でパネルの向きや影がかかる状況が異なる時に、その影響を最小に留められるという点が、分散型の利点として強調される。ただ、実際には分散型の不良率の多寡に左右されることもあり、