今回の金融危機を機に、これまでの金融の技術革新の意義を問い直す声が上がっている。拙ブログでも、ここやここでそうした議論を紹介した。中には、ここで紹介したクルーグマンのように、「その多くが規制を巧みにかいくぐったという代物で、評価に値するものではなかった」と断じる人もいる。ボルカーに至っては、重要な技術革新はATMくらいで、しかもそれも金融と言うより機械の技術革新だ、と述べている。 そうした中、ブルッキングス研究所のRobert E. Litanという人が、これまでの金融のイノベーションの成果を格付けする試みを行なった(Economist's ViewでリンクされたEconomic Principals経由)。その論文の表1に彼の下した評価がまとめられているので、以下に転記してみる。 アクセス 利便性 生産性/GDP 支払い 現金自動預け払い機(ATM) ++ ++ + クレジットカードの拡