ネタバレが多いので、まだ未見なら以下は読まずに、まずは劇場で何があったのか確かめて欲しい。 『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』映画が始まってすぐ。基地から撤退途中の反乱軍はファーストオーダーに強襲される。ポー・ダメロンの機転により攻撃空母ドレッドノート主要砲台はツブされ上からの攻撃には対応出来なくなる。ここでレイア将軍から撤退の令が出るがポーは無視し、爆撃機を出動させる。しかし、ファーストオーダーも大量のタイファイターで迎撃に出る。 反乱軍爆撃機パイロットのペイジ・ティコは、迎撃手も爆弾投下係も死んで、爆撃機にたった一人残されてしまう。ペイジは自分自身で爆弾投下ボタンを押し、ドレッドノートを沈めるのだが自身もその爆炎を受けて死んでいく。 いままでのスター・ウォーズ(以下SW)でも一兵卒の死は描かれてはいたが、ここまで叙情豊かに描いたのはep6でのイウォークの死を慈しむ仲間の描写以来か。し
『ジャッジ・ドレッド』鑑賞。 原作はイギリスのコミックです。日本では20年以上10年くらい前に一度、バットマンとのクロスオーバー作が翻訳されているだけ*1で、あまり馴染みの無いキャラクターです。アンスラックスの「ジャッジ・ドレッド」をテーマにした曲「I am the Low」でスラッシュ・メタルファンには知られていると思います。 一番有名なのが95年にシルベスター・スタローン主演で作られた映画版でしょう。当時のスタローンといえば『デモリション・マン』だろうが『スペシャリスト』だろうが口ひんまげて半裸でウェーウェー言ってるだけ*2なので、「ジャッジ・ドレッド」原作に思い入れのある人には大変不評だそうです。 ボクは原作の方は上記したバットマンとのクロスオーバーもの、DCの馬鹿キャラ「ロボ」とのクロスオーバーものを洋書で読んでいたくらいで、あまりよく解ってません。原作では、ドレッドは絶対に顔を見
『プリズナーズ』鑑賞。 アメリカに「プレッパーズ」と呼ばれる人がいるそうだ。缶詰やミネラルウォーターを買いこみ数か月は外界と隔離されても生活が出来るように備えている(prepare:プリペアー:備える→プレッパー)人々だ。 日本でも311震災以降「備えをしなければいけない」という意識が芽生えたと思うが、アメリカでも911以降に同じような意識が現れたのだろう。ただ、日本と決定的に違うのはアメリカの「プレッパーズ」たちの「備え」には銃武装も組み込まれているところだ。狩猟用のライフルはもちろん。自衛用ハンドガンにアサルトライフルまで、日ごろからそれら銃器を扱えるように訓練までする。そこからは「備え」を使わなくてはいけなくなった「事態」を、どう想定しているかが解る。 『プリズナーズ』舞台はアメリカ南北戦争の激戦地ゲティスバーグのあるペンシルバニア州。映画はヒュー・ジャックマン演じる父ケラーによる祈
今月は往年のゲーム『スプラッターハウス』のPS3リメイク『Splatter House』をクリア。すぐにジャック・ブラックが主人公のCVをあてて、JBっぽいキャラがヘッドバンギングを武器にする原住民を引き連れて戦うRTSゲーム『Brutal Legend』をプレイ。と、大遅刻洋ゲーマーと化している。 『テラフォーマーズ』 公開前から駄作認定されたのは、原作コミックのファンが「漫画の実写映画はクソ」的なクリシェに飛びつく子らであったからだろう。実際には名作/傑作とは決して言えないが、邦画レベルでは充分な娯楽作品だと言える。中でも女優陣、太田莉菜と小池栄子のキレ感はゾクっと来るものがあった。しかし、アメリカで公開したら炎上必須だね。黒々として筋骨隆々でつぶらな瞳でこん棒持ってるって、バカにする気満々でカリカチュアした黒人だと受け取られかねない。No Fun No TV Do Honky 『スキ
『桐島、部活やめるってよ』観賞。 傑作です。現在、かなりの強敵を前に興行的に苦戦しているようですが、もし劇場へ駆けつけたなら後々自慢できる体験になるでしょう。必見です。まだ未見でしたら以下を読む前にまず劇場へ向かってください。 「ナンバー1にならなくてもいい もともと特別なオンリーワン」と歌う「世界に一つだけの花」ほど残酷な歌は無いだろう。歌うのはジャニーズ事務所きってのスターグループSMAPであり、作詞作曲は稀代のヒットメイカー槇原敬之である。幾度となくナンバーワンに輝いた彼らは多くのファンにとって特別なオンリーワンであり、度々ナンバーワンにすらなった事がある。しかし、市井の人々のほとんどは彼らとは違い、誰か一人にとってのオンリーワンですら無い事実を受け入れざるをえない。代替えの可能な「ワン・オブ・ゼム(大勢の中の一人)」なのだ。 ほとんどすべての人にとって大いなる挫折を味わうのが高校
町山智浩さんのツイートでタランティーノの新しい彼女のHPが紹介されていました。 http://www.liannespiderbaby.com/ リアン・スパイダーベイビーさん。ファンゴリア誌、フェイマス・モンスターズ誌などでライターを務める方のようです。名前の由来はパム・グリア主演『コフィー』や『残酷女刑務所』の監督、ジャック・ヒルのデビュー作『スパイダー・ベイビー』からです。歳をとるごとにバカになり、人を喰いはじめる呪われた家族の恐怖を描いた映画です。*1さすが、QTの彼女になるほどの人物。わかってらっしゃる! 彼女の素性を知って、ボクが最初にイメージしたのは『桐島、部活やめるってよ』で橋本愛が演じた「かすみ」だ。 『桐島〜』を見た多くの(主に)映画秘宝読者たちが「橋本愛!けっきょくコッチ側の人間じゃないんだ!裏切られた!」と悲鳴をあげています。『鉄男』の特集上映に女の子独りで駆けつけ
『桐島、部活やめるってよ』について、人の感想を読むのが面白い。 かなり親切な作りですが、スッキリとしたオチめいた物を提示していないので、憶測が憶測を呼び自由な解釈をしている人も多く、多種多様さが楽しいのです。しかし、中には「全くわけが解らない?」と言う人も多いのです。そこで、『桐島』を理解するための基礎的な解釈をしてみようかと思います。当然ながらオチ(的な話)にも言及しますので、まずは劇場で『桐島、部活やめるってよ』を観賞をした後にお読みください。本エントリは高校生に読んで欲しいです。読んでないと思うけど…… 『ゴドーを待ちながら』 本作にはタイトルロールになっている「桐島」は登場しません。「桐島がいない」というのがドラマの軸になっています。これは舞台劇『ゴドーを待ちながら』のオマージュだと言われています。 『ゴドーを待ちながら』は1952年に発表された戯曲で不条理劇の傑作だとされています
『スター・ウォーズ フォースの覚醒』観賞。 というか、今のところ計8回劇場に赴いているワケだが…… カンタンに感想を述べれば「おもしろかった!」と無邪気に答える。面白かったよ! しかし、オリジナル3部作からリアルタイムで付き合い、プリクエル3部作はもちろん、スピンオフやコミックなどの出がらしも平らげるほどスター・ウォーズ世界を愛してしまった私には、「おもしろかった!」の一言では表現しきれない想いが当然ある。 『スター・ウォーズ』とは何なのか? そもそもスター・ウォーズ、オリジナル三部作は「古臭いものを再提示する」というコンセプトで作られている。 オープニングの「A long time a go in a Galaxy Far, Far Away」が、古典的おとぎ話の語り出し「むかーしむかし、あるところに」のもじりであることは良く知られている通り。 劇中でも、チャンバラにターザン・スウィング
『ジュピター』観賞。 ウォシャウスキー姉弟による新作。 地球は、実は高度に発達した異星人の“農場”で、人間は栽培されていた。その地球でロシア移民のててなし子として生まれた娘、ジュピターが実は異星人の皇族と全く同じDNAを持っていることが判明。異星の権力争いに巻き込まれる。という話。 「高度な存在に栽培されていた人間」という設定や、親戚のおじさんの元で家政婦をして暮らすジュピターが「こんな生活もうイヤだ!」と愚痴を言っていたら、あれよあれよと異星の皇族だったとなる展開は『マトリックス』そのままである。 そもそも『マトリックス』によって切り開かれた「実はアナタは、今のアナタとは違う重要で大事な存在だった!」という、『ハリー・ポッター』や『トワイライト』に代表される、子供の現実逃避小説ジャンルに、大遅刻して来た感のある話だ。 本作で『マトリックス』におけるカンフー・ファイトに相当するのが、チャニ
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