東京電力が7日、政府に福島第1原発事故対応への追加支援を要請したのは、除染費用の拡大などで実質国有化時に策定した「総合特別事業計画」が抱える矛盾を覆い隠せなくなったためだ。しかし東電に対する社会の不信が根強い中での追加支援は容易ではない。東電は7月の実質国有化からわずか100日で重大な岐路に立つことになった。 「(東電の)企業の形が重大な岐路に立っている。活力ある民間企業に復帰するか、事故処理専業法人になるかだ」。社外取締役の一人である能見公一・産業革新機構社長は、記者会見でそう明言した。会見には政府が派遣した社外取締役ら7人全員が出席。追加支援の必要性を口々に言及した。 特に強調したのが、賠償や廃炉費用の拡大見通しだ。除染の範囲を政府方針の通り年間被ばく線量1ミリシーベルトまで拡大した場合、除染を含む賠償額は10兆円規模に拡大する可能性があると指摘。東電は賠償関連費用を原子力損害賠償支援