「もはや何でもありだ。目の前で、ひとつの世界が壊れていく」。大統領トランプの誕生に駐米フランス大使は、こうツイートした。ほどなく取り消されたが、米国だけでなく欧州も覆う空気を言い当てていた。 英国の欧州連合(EU)離脱と同様に、ありえないと思われたトランプの当選。そしてフランスでは、来春の大統領選に向け、右翼・国民戦線(FN)が勢いを見せている。 「ポピュリスト」を自任する党首ルペンは、「エリートたちがありえないと言うことを、民衆とともに可能にする」と語る。「壊れるのは『ある種の』世界にすぎない」。ルペンの右腕で副党首のフィリポは「彼らの世界が壊れる。われわれの世界ができあがる」とした。 FNは、エリート官僚が仕切るEUから国家の主権を取り戻す「愛国」をうたう。難民や移民の流入を防ぎ、国境を再構築する。暴力的なグローバル化のもと、不当な競争を強いる自由貿易の拡大は拒否する。忘れられたフラン
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