英国で2022年9月に実施された太陽地球工学の野外実験は、世界初の科学実験だった可能性がある。機器の試験が目的とされるが、実験が強行された背景には、太陽地球工学者の焦りと不満があるのかもしれない。 by James Temple2023.03.15 1 7 2022年9月、英国のある研究者が高高度気象観測気球を飛ばし、数百グラムの二酸化硫黄を成層圏に放出したことが、MITテクノロジーレビューの調査によってこのほど明らかになった。太陽地球工学(ソーラー・ジオエンジニアリング)分野における、初の科学実験だった可能性がある。 太陽地球工学とは、地球が宇宙に跳ね返す太陽光を意図的に増やすことで、地球温暖化を緩和できるという理論だ。具体的には、成層圏への二酸化硫黄の放出が手段の1つとして考えられている。大規模な火山噴火後に地球が寒冷化する冷却効果のメカニズムを真似たものだ。ただし、意図せぬ結果になる
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