「史上最悪」といわれた米国大統領選挙。まもなく新大統領が決まるわけだが、執筆時点(11月8日)ではヒラリー・クリントン候補が優勢といわれている。だが、金融市場は完全に落ち着いたとはいえない状態だ。 米大統領選の状況は、英国のEU離脱決定直前とは違う 「クリントン大統領誕生」を織り込みに行っていた市場に冷水を浴びせたのが、同氏の私的メール問題だった。いったん勝負があったはずの醜い戦いが、再び土俵中央まで戻されたことで、市場では「もしトラ」リスク(もしもトランプ氏が大統領になった場合のリスク)が強く意識されることになった。 その結果、米国株式市場では代表的株価指数であるS&P500が1980年以来36年ぶりの9日連続下落を記録。FBI(米連邦捜査局)が訴追しないことを決めたことから7日の米国市場は急反発したものの、なお不安定な動きが続く。もしトランプ大統領が誕生したら、金融市場は6月の英国EU