カメラメーカー、ニコンの後藤哲朗氏は、フィルムからデジタルへ、40年以上にわたってカメラを設計・開発。写真とカメラを愛し、ライバル会社の動向にも目を光らせ、ニコンにしか作りえないカメラの開発に力を注いできた後藤氏に話を聞いた。 長年培ったニコンのDNAを次の世代に伝えていきたい ───F3、F4、F5、D3、さらにDfなど数々の名機を世に送り出したニコンの後藤哲朗氏は、30年以上の長きに渡り、ニコンのヒットメーカーとして、カメラ好きの間にその名を轟かせている。後藤さんを突き動かすものは何か。その秘訣を探ろうと取材に赴くと、会議室のテーブルにズラリと並べられた私物のカメラとともに迎えていただいた。大事に使い込まれたカメラたちが、後藤さんのカメラへの情熱を静かに物語っていた。 後藤氏が入社してすぐに配属された部署で。 サーマルカメラをいじっているところ。 後藤 中学のときは写真部で、父親のカメ
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