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ブックマーク / www.kyoto-u.ac.jp (11)

  • 大地震発生直前に観察される電離層異常発生の物理メカニズムを発見―地殻破壊時に粘土質内の水が超臨界状態となることが鍵―

    梅野健 情報学研究科教授、水野彰 同研究員、高明慧 同専門業務職員(研究当時)らの研究グループは、大地震発生直前に観察される電磁気学的異常を地殻破壊時の粘土質内の水が超臨界状態であることにより説明する物理メカニズムを発見しました。今まで、2011年東北沖地震、2016年熊地震などの大地震発生直前に震源付近の電離層上空に異常が観測されたことが報告されていましたが、なぜ大地震発生直前の電離層に異常が生じるかを明確に説明する物理モデルの報告はなく、幾つかの仮説が提唱されているのみでした。 研究グループは、プレート境界面には、すべりやすいスメクタイトなどの粘土質が存在し、その粘土質の中にある水が地震発生前の高温高圧下で超臨界状態となり、電気的な性質が通常の水と異なり絶縁性となり、電気的特性が急に変化することで電磁気学的異常が生成することを初めて提案し、電離層への影響を大気の静電容量によりモデル

    大地震発生直前に観察される電離層異常発生の物理メカニズムを発見―地殻破壊時に粘土質内の水が超臨界状態となることが鍵―
  • カエルとヘビの膠着状態のメカニズムを説明 -双方にとって後手に回って行動することが有利となる-

    西海望 理学研究科 博士課程学生(現・基礎生物学研究所・日学術振興会特別研究員)、森哲 同准教授は、カエルとヘビが対峙したまま動きを止める現象が、双方の適応的な意思決定によって成り立つことを明らかにしました。 捕者と被者が対峙したとき、先手を取った側が有利であると一般的に考えられてきました。しかし、トノサマガエルとシマヘビにおいては、先手で動き始めると相手の対抗手段に対して脆弱になってしまうことが明らかになりました。そして、双方ともに後手に回ろうとした結果、我慢比べのような膠着状態が生じうることが示されました。また、この先手が不利となる状況の成立は両者間の距離に依存しており、トノサマガエルとシマヘビは、距離に応じて先手を取るかどうかを適切に選択していることが明らかになりました。 研究成果は、捕者と被者の戦略に新たな視点を提起するものです。また、恐怖で動けないことの喩えとして用い

    カエルとヘビの膠着状態のメカニズムを説明 -双方にとって後手に回って行動することが有利となる-
  • 1量子ビットしか使えない「弱い」量子コンピューターでも、古典コンピューターより「強い」ことを証明しました

    現在、世界中で多くの研究者が量子スプレマシーの実現にむけて研究を行っています。研究は、それらの理論的基盤を整備するものであり、今後の量子計算の理論的、実験的研究の発展に大きく寄与すると期待できます。また、量子スプレマシーの研究は、単に古典に対する優位性を示すだけでなく、有用な量子アルゴリズムの開発につながることも目指しています。one-clean qubitモデルを使った高速な量子アルゴリズムを開発するのは、今後の重要な課題です。 研究成果のポイント 実質的に1量子ビットしか使えない「弱い」量子コンピューターが、古典コンピューターよりも「強い」のかどうか不明であった。 そのような弱い量子コンピューターが、ある場面では古典コンピューターより高速であることを計算量理論的基盤に基づいて証明した。 現在、世界中で進んでいる量子スプレマシー研究の理論的基盤を整備する結果であり、当該分野の研究をさ

    1量子ビットしか使えない「弱い」量子コンピューターでも、古典コンピューターより「強い」ことを証明しました
  • https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2018/documents/180518_1/01.pdf

  • 光による量子コンピュータの実現に大きく迫る手法を開発 -従来の100億倍の誤り耐性-

    藤井啓祐 理学研究科特定准教授、富田章久 北海道大学教授、福井浩介 同博士課程学生らの研究グループは、光を用いた量子コンピュータを、現在の技術レベルで実現させる方法を開発しました。 研究成果は,2018年5月25日に、米国科学誌 「Physical Review X」に掲載されました。 量子コンピュータは、従来のコンピュータにおけるビットに対応する「量子ビット」をスタート地点としてその実装が検討されてきました。一方で、従来のコンピュータにおいては、電圧の値や電荷の量などアナログ値を離散化することでビットを実現しています。 研究は、光を用いたアナログ量子状態を離散化したGKP量子ビットにおいて、その背景にあるアナログ量をうまく利用することで量子ビットに対するエラー耐性を大幅に向上させることができるという結果です。 量子ビットの背景にあるアナログな物理系の情報をうまく利用することで量子コン

    光による量子コンピュータの実現に大きく迫る手法を開発 -従来の100億倍の誤り耐性-
  • 見られていると絶縁体が安定化する -観測による量子多体状態の制御技術を確立-

    富田隆文 理学研究科博士課程学生、高橋義朗 同教授、段下一平 基礎物理学研究所助教らの研究グループは、レーザー光を組み合わせて作る光格子に極低温の原子気体(レーザー冷却、蒸発冷却などを施し、真空容器中の気体を絶対温度でナノケルビンの温度にまで液化・固化させることなく冷却させたもの)を導入し、周囲の環境との相互作用によるエネルギーや粒子の出入り(以下、散逸)が量子相転移(圧力や磁場などを変化させた際に量子力学的なゆらぎにより物質の状態が異なる状態へと変わること)に与える影響を観測することに、世界で初めて成功しました。 研究成果は、2017年12月23日午前4時に米国の科学誌「Science Advances」に掲載されました。 極低温原子気体を用いた量子シミュレーションは21世紀に始まった比較的新しい研究方法で、いまなお大きな発展の可能性を秘めています。今回の研究でシミュレートした開放量子

    見られていると絶縁体が安定化する -観測による量子多体状態の制御技術を確立-
  • 乱雑さを決める時間の対称性を発見-100年前の物理と数学の融合が築くミクロとマクロの架け橋-

    佐々真一 理学研究科教授、横倉祐貴 理化学研究所基礎科学特別研究員との共同研究チームは、物質を構成する粒子の「乱雑さ」を決める時間の対称性を発見しました。 研究は、米国の科学雑誌「Physical Review Letters」(4月8日号)に掲載され、Editors’ suggestionに選ばれました。 「乱雑さ」と「対称性」は、物理学の基的な概念です。 しかし、これらは性格が全く異なっており、両者の関係 など想像もしませんでした。今回、偶然にも、両者が結 びつくことになり、二人の著者自身が驚いています。この 結果を踏まえて、発見された対称性をより深く理解し、 ブラックホールや時間の矢の問題に対して、新しい研究 方法を提供したいです。 概要 「乱雑さ」は、「エントロピー」と呼ばれる量によって表わされます。エントロピーはマクロな物質の性質をつかさどる量として19世紀中頃に見い出され、

    乱雑さを決める時間の対称性を発見-100年前の物理と数学の融合が築くミクロとマクロの架け橋-
  • 幸福の神経基盤を解明

    佐藤弥 医学研究科特定准教授らの研究グループは、主観的幸福の神経基盤について、脳の構造を計測する磁気共鳴画像(MRI)と幸福度などを調べる質問紙で調べました。その結果、右半球の楔前部(頭頂葉の内側面にある領域)の灰白質体積と主観的幸福の間に、正の関係があることが示されました。つまり、より強く幸福を感じる人は、この領域が大きいことを意味します。また、同じ右楔前部の領域が、快感情強度・不快感情強度・人生の目的の統合指標と関係することが示されました。つまり、ポジティブな感情を強く感じ、ネガティブな感情を弱く感じ、人生の意味を見出しやすい人は、この領域が大きいことを意味します。こうした結果をまとめると、幸福は、楔前部で感情的・認知的な情報が統合され生み出される主観的経験であることが示唆されます。主観的幸福の構造的神経基盤を、世界で初めて明らかにする知見です。 研究成果は、2015年11月20日に

    幸福の神経基盤を解明
  • 吉田寮自治会への通知について

    京都大学吉田寮の現棟は、平成17年度および平成24年度の耐震診断調査によって、耐震性を著しく欠くことが判明しています。今のままでは、大地震が発生した場合、建物が倒壊または大破し、寮生の生命が危険に晒されることが憂慮されます。 学生寮について管理の責務を負う京都大学としては、寮生の安全確保を最優先する観点から、寮生の皆さんには、年4月に竣工した新棟に順次転居してもらい、現棟の居住者をできるだけ速やかに減少させることが必要と考えています。 このため、平成27年7月28日付けで、吉田寮自治会に対して、次の2点を求める「吉田寮の入寮者募集について」という通知(杉万俊夫 学生担当理事・副学長名)を発出しました。 吉田寮の新規入寮者の募集については、平成27年度の秋季募集から行わないこと。 吉田寮の寮生の退寮に伴う、欠員補充を目的とした募集を行わないこと。 なお、新棟については、吉田寮生の一時的な居

    吉田寮自治会への通知について
  • 「細胞質分裂のメカニズム解明!」 -アクチン重合分子mDia2による赤芽球細胞質分裂の調節-

    2013年11月15日 成宮周 医学研究科特任教授(メディカルイノベーションセンターセンター長)と渡邉定則 名古屋大学理学研究科研究員(日学術振興会特別研究員)らのグループは、生体で働いている細胞質分裂の分子メカニズムを明らかにしました。 研究成果は、2013年11月14日(米国東部時間)に「Cell Reports」のオンライン版に掲載されました。 ポイント 細胞が分裂によって増殖することは周知の事実である。分裂は倍加した染色体が各々の極に分かれる核分裂のあと、細胞質がくびれきられる細胞質分裂で終了する(図1)。 この細胞質分裂は、核分裂の終期に娘細胞の間に収縮環という構造が生じ、これが収縮して達成される。研究グループの以前の培養細胞を用いた研究で、低分子量G蛋白質Rhoが核分裂から細胞質分裂への分子スイッチとして働くこと、RhoはmDia2という蛋白質に働いて収縮環の成分であるア

    「細胞質分裂のメカニズム解明!」 -アクチン重合分子mDia2による赤芽球細胞質分裂の調節-
  • 母親と他人の狭間 -赤ちゃんが示す「不気味の谷」現象を発見-

    2012年6月13日 明和政子 教育学研究科准教授、岡ノ谷一夫 東京大学大学院総合文化研究科教授と科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 ERATO型研究「岡ノ谷情動情報プロジェクト」の松田佳尚 研究員らは、赤ちゃんの「感情の発達」と「母親を認識する能力」の関係を研究し、母親と他人を半分ずつ重ね合わせた「半分お母さん」の顔を見ようとしない「不気味の谷」現象を発見しました。 生後半年以降の赤ちゃんは母親と他人を区別したうえで、両者を好んで見ることが知られています。「母親(親近感)」と「他人(目新しさ)」は、全く違う存在にも関わらず、赤ちゃんが両方を好んで見るため、どのように母親と他人の区別をしているのか分かりませんでした。また、どの程度母親の顔に敏感かも不明でした。 研究グループは、この問題を解明するために、生後7~12ヵ月の赤ちゃん51名が、母親、他人、「半分お母さん」の3種類

    母親と他人の狭間 -赤ちゃんが示す「不気味の谷」現象を発見-
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