天地創造、生命誕生。宇宙はビッグバンから始まり、その後、偶然に太陽系が形成され、第三惑星・地球に生命が誕生した。そして、我々人類とその他全ての生物は、同じ祖先から枝分かれした。ビッグバンも、進化論も、現代ではごく常識的な科学知識である。大いなる存在がこの世界を創造したわけではない。 西洋思想では、世界は設計されたもの、厳密な計画によって構築されたものだと、説明されてきた。だが科学の「進化」によって、この世界に設計者は存在しないことがわかった。社会もそうだ。人類の歴史を、人類の自由意志でコントロールすることはできない。本書は、「一般進化理論」を主張する。 生物学的進化理論、いわゆるダーウィン説は「特殊進化理論」と呼ぶ。進化するのは生物だけではない。道徳、文化、経済、教育、人口、宗教などの歴史は、全て自ずと展開していく現象、つまり「進化」なのだと本書は訴える。 第8章「心の進化」の主張に従えば