鳥取大付属病院(鳥取県米子市)で医療行為にあたっていた鳥取大大学院生が交通事故で死亡したのは病院での過重労働が原因として、両親が約1億5千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、鳥取地裁であった。朝日貴浩裁判長は事故と過労の因果関係を認め、安全配慮義務違反があったとして鳥取大に約2千万円の支払いを命じた。 亡くなったのは前田伴幸さん(当時33)。判決によると、前田さんは99年に医学部の大学院に入り、授業の一環として付属病院での医療業務に無給で従事。03年3月、徹夜の手術後、乗用車でアルバイト先に向かう途中、トラックと正面衝突し死亡した。直前1カ月間に約200時間の時間外労働をしていた。 大学は「雇用関係がなく、安全配慮義務はない」と争ったが、判決は「病院で業務しており、義務が生じるのは明らか」と判断。事故原因は「睡眠不足と過労による居眠り運転」と認定したうえで、「病院業務やアルバイト