2018年の初頭に出版されたスティーブン・ピンカーの新著『Enlightenment Now: The Case for Reason, Science, Humanism, and Progress (現代の啓蒙:理性、科学、人道主義、進歩を擁護する)』は、多くの批判にさらされてきた。タイトルの通り合理主義や科学を擁護して、非合理的な考え方や信仰を批判するこの著作は、特に文系のインテリの気に障ったようだ。ピンカーが「啓蒙」を人々の生命を助けたり社会を豊かにしたり個人を道徳的にさせたりするものとして称える一方で、批判者たちは啓蒙主義をレイシズム・帝国主義・人々の生存に対する脅威・孤独や自殺の原因として非難する、というのが主な構図である。また、批判者たちは「人類は進歩しており、世界の状態は良くなり続けている」というピンカーの主張を「データをチェリーピッキングして作り上げた幻想だ」とみなし、啓
