社説 教科書検定 事実誤認も見逃す杜撰さ2009年4月11日 事実誤認が甚だしい教科書が文部科学省の教科書検定で合格した。 誤った歴史が後世に事実として教授される。これは放置できない。検定制度の不備を早急に是正する必要がある。 検定に合格しながらも、「欠陥」教科書と指摘されているのは「新しい歴史教科書をつくる会」が執筆し、自由社が発行した中学歴史教科書だ。 事実誤認は例えば、第2次大戦での硫黄島の戦い。それに続く沖縄戦の開始時期だ。 同書は「(1945年)4月、米軍は沖縄本島に上陸し、ついに陸上の戦いは日本本土に及んだ」と記述している。 だが、国内での地上戦は沖縄ではなく硫黄島が最初だ。これでは硫黄島は日本ではないことになる。 地上戦の開始も米軍が沖縄本島に上陸した4月と読める。だが、米軍は実際には3月26日に慶良間列島に上陸している。慶良間列島はまぎれもなく沖縄だ。そ