NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の登場人物が現代のテレビ局に蘇ったら? そんな妄想をもとに描かれた漫画「拝啓、鎌倉殿!」を掲載しています。
「萬平さん!」「萬平さん……」「萬平さん♡」 ヒロインが愛する夫の名を連呼しまくる朝ドラ「まんぷく」(NHK総合)。初めは違和感を覚えていたものの、もうすっかり慣れた。安藤サクラ演じる福子は、夫の才能を信じ、精神的にも経済的にも支えて、身を粉にして尽くす優秀な妻である。そもそも彼女がこの手の「昔気質な滅私の女」を演じることに疑問を抱いていた。 奥田瑛二と安藤和津の娘として、かなり恵まれた芸能界人生を歩き始めたサクラ。映画に多く出演し、主演作も多数ある。期待されてきたのは、脱ぎっぷりのよさと心の闇。あるいは底辺と狂気の二刀流。新興宗教や反社会勢力が似合うただずまいでもある。小綺麗に着飾ってお膳立てされた舞台ではなく、いかにやさぐれるか、いかに背負わされるかを主戦場にしてきた強みがある。 だから、朝の顔になって、「ああ、私の好きなやさぐれサクラが封印されてしまうのか」とまで思っていたのだ。 「
とにかく「先が読めない」、大河ドラマで異例の展開 今年の大河ドラマの主人公が井伊直虎と発表された時、ほとんどの人はまったくなじみがない名前に驚いたろう。この井伊家の伝承を知っていれば、今度は「しかしどうやってドラマにするの?」と首を傾げたに違いない。昨年大ヒットとなった『真田丸』の後継のこのドラマ、残すところもあと数回だが、視聴率的には奮わないものの、見ている人の間では相当に評判がいいようだ。 見始めたらおもしろい大きな理由は、「先が読めない」ことだ。たとえば『真田丸』なら最初は信濃の国衆としての真田家なら知らないことがほとんどだが、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の時代で話がすぐに大河ドラマの定番というか、基本誰でも知っている「天下統一」に話が移ってしまうと、分かり易い一方で先が読め過ぎるというか、分かりきった展開の再確認に終始するのに、しかもナレーションでも台詞でも、妙に説明過多だった。
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