二ヶ月くらい前だっただろうか。週刊「AERA」で、佐藤優さんがマルクスを紹介しておられた。 いい意味で機を見るに敏な「AERA」であり、佐藤優氏である。ワーキングプアが大量に発生していることに象徴されるように、資本(家)が労働者を明日の労働力を再生産することができる程度のギリギリの賃金で働かせて搾取する、古典的な「絵に描いたような資本(家)による搾取」が、現在、存在していることは事実だろう。マルクス再読のススメは、現状に不満や不安を感じる若者(本を読むくらいには知的な若者だが)にウケるかも知れないし、それ以上に、昔マルクスないしはその周辺の思想を囓ったことのある"前期高齢者"くらいの年齢層の心に響くだろう。彼らは、紙に印刷された活字の最大かつ最後の購買層かも知れない。悪くない目の付け所だ(決して、皮肉ではない)。 俗に新自由主義というレッテルで語られる考え方のどこが「新」なのかは今一つよく