4月2日にバーナンキFRB議長が議会証言で、「景気後退は起こりうる」と初めてはっきりと明言した。3日付け日経新聞によると、民主党のシューマー上院議員の質問に答えたものだ。「今年の前半には、わずかながら減少する可能性もある」とも語っている。中央銀行のトップとして、発言の影響を考えると、随分大胆だ。 バーナンキ氏は学者出身のせいか、その時点で分かることを率直に言う、という印象がある。前任のグリーンスパン議長の場合、発言にある種の曖昧さがあり、これは物事がうまく行っているという前提で聞くと深みとも思えたが、後の発言や自伝なども含めて振り返ると、彼がもともと民間エコノミスト出身のためか、コンサルタントや占い師が「ほら、私の言ったとおりだったでしょ」と言うために言葉の曖昧さを利用しているような、事後的正当化の臭いがする。一部にはグリーンスパン氏が今もFRB議長でいてくれたらというムードがあるようだ